エミリー
「あ〜ん、darling、会いたかったりゅーん!」
エミリー
「きっと近々、エミリゅん、darlingに再会できるんだよ〜!やーん、嬉しいりゅーん…」
エミリー
……
エミリー
……瑞希さん、私のお芝居、如何でしょうか。
真壁瑞希
そうですね。原作を読む限り、エミリーさんの今回の役は天真爛漫な少女です。
真壁瑞希
いや、いっそ天衣無縫と言うべきかと。エミリーさんより5歳年上ですが、精神年齢は下かと。
真壁瑞希
エミリーさんの言い方では、素の部分の恥ずかしさがあからさまです。もっと気を強く持って。
真壁瑞希
……私なら、このセリフを動揺せずに読むことは出来そうにないです。恥ずかしい。
エミリー
難しいご注文ですね……大人びろとの仕掛け人さまの采配は有りましたが、もっと幼くとは。
真壁瑞希
それと、darlingの発音が綺麗すぎます。あくまで、日本人の遣う外来語のニュアンスで。
エミリー
それは……
真壁瑞希
しかしプロデューサーも、大胆です。旧いゲームの実写化、それもエミリーさんを抜擢してとは。
エミリー
その作品には、まさしく大和撫子の少女もいらっしゃるのに、その役でないのは口惜しいです。
真壁瑞希
それについてはコメントは差し控えますが、エミリーさんの役も大事なのです。
エミリー
……しかし、幼き日の想い人を慕うというのは、素敵なことですね。
エミリー
離れ離れになりながら、想いを募らせ、ついに再会を果たすというのは、まこと劇的です。
真壁瑞希
そういえば、エミリーさんへ渡すように言われたものが。ドラマの鍵となるアイテムだそうです。
エミリー
これは、檸檬水の瓶ですね。……大変貴重なものと聞き及んでいます。
真壁瑞希
エミリーさん。無理矢理ラムネを日本語にしなくとも……
エミリー
そうですね。英国のlemonadeが訛って、「ラムネ」となったそうですね。
真壁瑞希
ちなみに、リンゴ味のお酒のciderが、日本の炭酸飲料のサイダーの語源だとか。
真壁瑞希
炭酸による内圧で蓋が閉まる、このラムネの瓶は、イギリスでの発明だそうです。
エミリー
そう考えると、英国と日本の繋がり、私と大和撫子の縁に近いものが有るのかもしれませんね。
真壁瑞希
残念ながら、ラムネの瓶を作る機械は、もう日本には存在しないそうです。
真壁瑞希
残っている瓶は再利用されていますが……材質の強度の問題で、あと十年ほどしか保たないそうです
エミリー
それほど貴重なものを、仕掛け人さまは私に下さったのですか……大事にしなければ。
真壁瑞希
何でも、原作のラムネ瓶は総ガラスの貴重なものではないかと考え……
真壁瑞希
プロデューサーが考えたそうで。その瓶はエミリーさんのものですが、本番の小道具でもあります。
エミリー
この瓶に、エミリゅんさんと、想い人さんの思い出が収められているわけなのですね。
真壁瑞希
ちなみに、日本にあった最後のラムネ瓶製造機は、インドに売却されたそうです。
真壁瑞希
インドでは今も、生のレモンを搾った瓶ラムネが売られているとか。行ってみたいぞ、ガンダーラ。
エミリー
どんな夢も叶うという、天竺の事ですね。あの歌によれば。
真壁瑞希
はい、生きることの苦しみさえ消えるそうです。
エミリー
……
エミリー
(私と仕掛け人さまの思い出も、この硝子瓶に納めて、大事にしますね。)
(台詞数: 35)