エミリー
(私の大切な仕掛け人さま。)
エミリー
(この割れんばかりの歓声が、聞こえていますでしょうか?)
エミリー
(「1人の女の子」だった私が、この様な大舞台に上がるなんて思ってもいませんでした。)
エミリー
【俺の大切なエミリーへ。】
エミリー
【この歓声を聞いて、今なにを感じている?】
エミリー
【俺がプロデューサーになって、初めて担当した「英国少女」が、】
エミリー
【まさかこんな大舞台に上がることになるなんてな…。本当、キミには驚かされてばかりだ。】
エミリー
(仕掛け人さま、覚えていますか?)
エミリー
(私達が単独で任された、はじめてのお仕事のことを。)
エミリー
(介護老人保健施設を訪れて、練習した歌を披露しようとしましたが、)
エミリー
(はじめての事だらけで緊張し、歌詞を全部忘れてしまいましたね…。)
エミリー
(仕掛け人さまと一緒に各地を挨拶して、ようやく手に入れたはじめてのお仕事。)
エミリー
(それなのに、なにも出来ず、ただ立っていただけの自分自身が情けなくて…。)
エミリー
(お仕事が終わって、泣き出しそうな私を、貴方はずっと励ましてくれましたね。)
エミリー
(あの時、仕掛け人さまが励ましてくれなかったら、今ここに立つ事は無かったかもしれません。)
エミリー
【エミリー、覚えてるか?はじめての仕事のこと。】
エミリー
【歌詞を忘れ、立ち尽くしているキミを、助けられなくてゴメンな。】
エミリー
【どんな時でも、冷静に対処して指示を与えないといけないのに、】
エミリー
【頭の中が真っ白になって、ただ慌ててるだけの、無力な男で申し訳なかった。】
エミリー
【仕事が終わって、今にも泣き出しそうなキミと一緒に、自分にも慰めてたんだよ。】
エミリー
【本当、情けない話だよ……。】
エミリー
(しかし、)【しかし、】
エミリー
(あれから実績を重ね、私は「永遠の交響曲」に選抜。)
エミリー
(これから100万人のお客様の前で、歌を披露しようとしています。)
エミリー
【100人もいなかった初仕事で歌詞を忘れた娘が、】
エミリー
【もうすぐ100万人の大観衆の前で、歌おうとしている。】
エミリー
(これも全て、仕掛け人さまが私を導いてくれたお蔭です。)
エミリー
(でも、まだ「ありがとう」は言いません。)
エミリー
(この大舞台を成功させた後に、改めて貴方の前で告げようと思います。)
エミリー
【仕事が全然うまくいかなくても。キミは黙って付いてきてくれた。】
エミリー
【感謝してもしきれないよ。……でも、まだ「ありがとう」と言うのは早いね。】
エミリー
【まずは、この夢の大舞台。今まで培ってきた事を、全て出し切って来い!】
エミリー
(もうすぐ私の出番ですね。あぁ……、これほど胸がドキドキするのは初めてです。)
エミリー
(ですが、とても心地よい緊張です。あぁ……、早く、あの舞台に上がりたい!)
エミリー
【エミリー。さすがに緊張してるな…。】
エミリー
【でも、とてもいい表情だ。これなら…、大丈夫だな!】
エミリー
(……仕掛け人さま。)
エミリー
(まだ至らない私ですが、これからも私を見守っていてください。)
エミリー
(私も、頑張って付いて参りますので!)
エミリー
(……時間ですね。それでは行ってきます、仕掛け人さま。)
エミリー
【よし、お前の出番だ。行って来い、エミリー!】
エミリー
さぁ、「さぁ、」
エミリー
美しく舞いましょう! 「美しく舞って来い!」
(台詞数: 43)