エミリー
おはようございます、ジュリアさん。
ジュリア
おはよ、エミリー。ずいぶん早くに来たんだな。
エミリー
ええ。事務所を掃除し、玄関を掃き清めて……お花も活けました。
エミリー
大和撫子たるもの、お客様や家人より早く起き、こうして住まいを整えるのも勤めかと……
ジュリア
小鳥やプロデューサーは、家族みたいなモン、ってとこか。
ジュリア
まあいいけどさ。エミリーが体を悪くしない程度にしてくれよ。せっかく同じユニットなんだし。
エミリー
それは心得ておりますわ。
エミリー
ときにジュリアさん。ジュリアさんこそ、今日は事務所にいらっしゃるのがお早いのでは?
ジュリア
あー……あたしの方は、早起きしたわけじゃないんだ。
ジュリア
昨日の夜、思い立って作曲してたんだけどさ。全然キマらなかったんで、寝付けなかったのさ。
ジュリア
……そうだエミリー、ちょうどいいや。力を貸してくれ。
エミリー
作曲ですか。及ばずながら、鼓と琴は修めていますが…
ジュリア
ああ、セッションしたいわけじゃない。どっちかと言えば、知恵を貸してほしいんだ。
ジュリア
日本にいるとさ、最先端のUKの音楽事情が掴みにくいだろ?
ジュリア
活きのいいバンドを紹介してくれないか?そいつの曲を聴けば、インスピレーションが湧くかも。
エミリー
……ご期待に添えず心苦しいのですが、私、軽音楽団は聴かないのです。
エミリー
演歌や、かつてのアイドルの先輩が歌われた歌謡曲を聴いているもので……
ジュリア
そうなんか……でもさ、エミリーの国では、子守唄がわりにビートルズを聴くんじゃないのか?
エミリー
多分、物心つく前はそうだったと思います。
エミリー
ですが、学び舎に通う頃には、父に頼んで浪曲の音楽盤を買ってもらったりしていました。
ジュリア
物心つく前じゃあ、エミリーのバックボーンにロックやパンクは無さそうだな。
エミリー
そうでした。ジュリアさんがこの年始に歌われた演歌、まことに素晴らしかったです。
エミリー
ジュリアさんがよろしければ、私、また聞かせていただきたいのですが……
ジュリア
アレか?まあノリで受けた話だよ。いつも歌ってるわけじゃない。
ジュリア
褒めてくれるのはありがたいが……そいつは、また今度にしてくれないか?
ジュリア
あたしだって、後学のために、ネイティブが唄うロックを聴いてみたいんだ。
エミリー
それでは、この二ヶ月を頑張り通せたら……その打ち上げで、お互い披露するのは如何ですか?
ジュリア
乗った。そうと決まれば、今まで以上に気合い入れていかないとな。
エミリー
それでは、私達、永劫の和声の益々の発展のため、尽力しましょう!
ジュリア
……あのさ、エミリー。ユニット名まで和訳するのはどうかと思うぞ。
(台詞数: 30)