維詩
BGM
TOWN_RMX
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2017-10-31 00:59:35

脚本家コメント
 http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/800000000000050614/seq/364
の続き!

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北沢志保
この子の家に行ってきた。
北沢志保
あの場所から歩いて歩いて、やっと人里についた。
北沢志保
ちなみに、私が来たところとは逆方向。
北沢志保
ちゃんと町らしい町だった。人もいたし、建物もあった。
北沢志保
歩いている途中で、彼女の友達とも遭遇した。クラスメイトと仲が良いようだ。
北沢志保
しばらく町中を行くと、
大神環
「あれが環家!」
北沢志保
意外と大きな一軒家だった。門には表札が3つあった。
北沢志保
「家に人いるの? 保護者系の」
大神環
「多分いない、はい開いた」
北沢志保
指紋認証。一軒家で初めて見た。
北沢志保
「お邪魔します」
北沢志保
お金持ち感あふれる外観に相応しく、中もそんな感じだった。だけど……
北沢志保
「いつから住んでないの?」
大神環
「んー」
北沢志保
やっぱり。こういう質問には答えたくないみたいだ。
北沢志保
……なんか、イヤな予感がする。
北沢志保
「家、ちょっと調べて良い?」
大神環
「探偵物? 最近流行ってるもんね」
北沢志保
玄関から廊下を突き当たってリビング。広い。
北沢志保
暖炉!? 空想上の物だと思ってたわ。
大神環
「暖炉の音が1時間くらい入ってる環境音楽ってあるけどさ」
北沢志保
「その話後で良い?」
北沢志保
その後、その格差社会迷宮をくまなく探していたが、生活感が無いこと以外、
北沢志保
特に変な物も驚く事も無かった。
大神環
「ねえ見てみて! 金無垢でできた白無垢!」
北沢志保
前言撤回、変な物はあった。
北沢志保
「……ねえ、あなたの部屋は?」
大神環
「あるよ、三階。エレベーターこっち」
北沢志保
エレベーター。
北沢志保
それの扉が開いた瞬間、目に飛び込んで来た部屋は明らかに異様だった。
北沢志保
傷だらけの壁、ボロボロの家具、そして辺りに散らばった本や筆記用具……
北沢志保
もしかして、この部屋で何か……!
大神環
「ちょっと散らかってるけど入って入って」
北沢志保
まさかの平常運転。
北沢志保
「ちょっとは片付けなさい。何したらこんな惨たらしい部屋になるの」
大神環
「いつも部屋ん中で思いっきりスーパーボール投げて避けるやつやってた」
北沢志保
楽しそう。
北沢志保
何かないかと、部屋を探していると、ソファの下に変なくしゃくしゃ紙切れを見つけた。
大神環
「あ」
北沢志保
すこぶる怪しかったのでそれを広げた。文字がたくさん書いてあった。多分手紙だ。
北沢志保
この部屋と同じくらいボロボロで、所々濡れて文字が滲んでいる。宛先はこの子だ。
北沢志保
……
北沢志保
…………
北沢志保
………………その内容は。
北沢志保
とても身勝手で、醜くて、意味がわからなくて、大人で……
北沢志保
……言い訳だった。
北沢志保
私は気づいたら戸惑うこの子の手を引きずってここまで引き返していた。
北沢志保
いろいろ、本当にいろいろ考えることもあるし、確かめることもするべきこともあるが取り敢えず、
北沢志保
家に帰ってから考えよう。

(台詞数: 50)