北沢志保
…ごめんカナ…今なんて?
矢吹可奈
え、えーと…あのお山まで冒険しに行こうかなー…なんて…ほら、私もそろそろ15だし…
矢吹可奈
自立に向けて修行でもしようかなー!って
豊川風花
…カナちゃん?その言葉を、愛と平等の女神アフロディテ様の目を見て言えますか?
矢吹可奈
うっ…
矢吹可奈
《フウカさんが目が全然笑ってない笑顔を向けてくる》
矢吹可奈
《予想はしてたけど、やっぱりフウカさんには嘘なんて通用しない》
矢吹可奈
…ごめんなさいフウカさん、シホちゃん…今の嘘です………実は…
矢吹可奈
《元々嘘をつき通すのに抵抗もあったので、私は2人に真実を話す》
北沢志保
……………
豊川風花
……………
矢吹可奈
嘘ついてごめんなさい…でも私、あの子の心が凍ってるの気付いちゃって…力になってあげたくて…
北沢志保
…どうしますかフウカさん?この前夜に森へ行った時はお説教で済ませましたけど…
北沢志保
さすがにこれは話が大きくなりすぎたと私は思いますけど…
豊川風花
…そうね、たしかに見過ごせないわ
矢吹可奈
うう…
矢吹可奈
《どうしよう…言い付けを破ったからか、かなり悪い空気になってきた》
矢吹可奈
《でもチハヤちゃんと約束しちゃったし、最悪の場合2人には悪いけど、こっそり…》
北沢志保
…どうしてこんな大事な話を私達に相談してくれなかったの?
矢吹可奈
…ふえ?
豊川風花
そうですよカナちゃん…最初にその子に会った夜の事を話してくれても良かったんじゃない?
豊川風花
それとも、魔族と会っていたのを言ったら、怒られると思ったの?
矢吹可奈
そ、そういうわけじゃ…
矢吹可奈
《無い…と言ったらたぶん嘘になる。心のどこかにそういう気持ちがあったのは確かだから…》
豊川風花
200年前みたいな戦争中ならともかく、今の時代でそんな差別的な事は言わないわ。それよりも…
北沢志保
私達がそんなに心が狭いと思われていた方のがショックだわ…
矢吹可奈
ご、ごめんなさい!やっぱり人間と魔族って違うから…その…とにかくごめんなさい!
矢吹可奈
《私が精一杯謝罪の意を伝えると、ようやく2人の表情が緩む》
北沢志保
…まったく、何年一緒に暮らしてるのよ?もう少し信用してよカナ
豊川風花
ふふ…まぁ、その事はこれで勘弁してあげましょうシホちゃん
豊川風花
それで、そのマーメイドの子と一緒にあの山に行きたい…という事だったわね
矢吹可奈
はい…チヅルさんの話だと、あの子の夢を叶えるのに、私が必要不可欠らしくて…
北沢志保
歌守の民…か…カナがそんな力を持ってたなんてね…
豊川風花
でもたしかに、どうもカナちゃんがいる時は聖歌の効果が薄いと思ってたのよね
豊川風花
…まぁ、それはさておき。カナちゃんはその子に協力してあげたいのね?
矢吹可奈
…はい
豊川風花
………わかったわ。困っている相手には手を差し伸べずにはいられない…それがカナちゃんですもの
北沢志保
ええ。それにカナがそこまで心を開くなら、その子も清浄な心の持ち主でしょうし…
矢吹可奈
じゃあ…!
豊川風花
旅を許します、カナちゃん。種族の垣根を越えたその思いやりの心…大事にしてね
矢吹可奈
《アフロディテ様の像を見つめながら、フウカさんの顔に慈愛の笑顔が浮かぶ》
北沢志保
長旅になるだろうし、しっかり準備はしてねカナ
矢吹可奈
うん!
矢吹可奈
《シホちゃんも、心配半分、信頼半分の目だけど、それでも笑顔を向けてくれる》
豊川風花
…でも、考えてみれば、その子マーメイドよね?山までの道中どうするのかしら?
北沢志保
…たしかに…その子を水槽に入れて引っ張って行くの?
矢吹可奈
その辺りは大丈夫!チヅルさんがね…
矢吹可奈
《2人に説明をしながら、私は昨晩チヅルさんが私とチハヤちゃんにしてくれた話を思い出す…》
(台詞数: 48)