同じ月を見ていた
BGM
Thank You!
脚本家
平沢ヒラリー
投稿日時
2017-10-21 12:45:51

脚本家コメント
アイマスKRと言えば親指のエピソードが有名なのですが、この月のエピソードも秀逸なので。
パク・チョルミン本当に社長だった。アニマスの千早回見て一番号泣したらしいし…

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北沢志保
高木社長
おや北沢君、今帰りかね?
北沢志保
お疲れ様です。はい、バスの時間まで待っている所ですが。
高木社長
帰りは送っていくよ。少し時間をいいかな?
北沢志保
え?
高木社長
…いやあ、萩原君からお茶を貰ったのはいいが飲むのをすっかり忘れていてね。
高木社長
飲んだ感想を、とせっつかれるものだからとりあえず入れてみたのだよ。飲んでくれたまえ。
北沢志保
なるほど、そういう事でしたら。いただきます…うん、美味しいですよ。
高木社長
おおそうか、良かった。
高木社長
北沢志保
社長?さっきから窓際で何をやってるんですか。
高木社長
これだよ。四条君の私物だがね。
北沢志保
望遠鏡?ああ、貴音さん天体観測がお好きでしたね…って、勝手に使っていいんですか。
高木社長
許可は取ったよ。今日はいい月が見られそうだからね。長年の疑問を解決するいい機会だ。
北沢志保
疑問?
高木社長
月には兎がいるというが、私にはどうしてもそうは見えないのだよ。
北沢志保
え?いや、表面の模様を見ればなんとなく分かると思うんですけど。
高木社長
どの辺りだい?
北沢志保
ほら、1番上を耳に見立てて、それから…
高木社長
おおそうか、そういう風に見れば良かったのか。なるほど、ありがとう。
高木社長
子供の頃、あれは兎じゃなくて蟹だと言われて以来、そうとしか見えなかったのだよ。
北沢志保
はあ。蟹ですか?随分変な事教わったんですね。
高木社長
そうでも無いと思うがね。蟹に見えないかい?ほら、横向きにして、1番上が鋏で。
北沢志保
えっと…あ、見えます!へえ、気付かなかった。こんな見方も出来るんですね。
高木社長
ああ。不思議な話だね、同じ月を見ているなのに、兎と蟹なんてまるで違う物を連想するんだから。
高木社長
月だけじゃない、色んなものがそうだ。もちろん人間にも同じ事が言える。そうだろう?
北沢志保
……何が言いたいんです?
高木社長
ものの見方なんて人それぞれ。キミには彼女たちはふざけてるようにしか見えないのかもしれない。
高木社長
だが、別の人には彼女達は自分なりのやり方で真面目に取り組んでいるように見える。
高木社長
そういう事もある、という話さ。
北沢志保
……私が間違っている、と?
高木社長
どっちが正しい悪いという物ではないよ。兎と蟹に正解は無いだろう?
高木社長
大事なのは、相手の見方を否定しない事。共感は出来なくとも受け入れてやればいいんだ。
北沢志保
…そんな余裕、私にはありません。時間は限られているんです、有効活用しないと。
高木社長
もちろんそれでもいい、それはキミの見方だ。だけど他の子はそうは思ってない。
高木社長
その点を忘れて相手を批判していても、結局お互いの為にはならない。対立してしまうだけだよ?
北沢志保
………
高木社長
大丈夫。キミなら出来るさ。
北沢志保
そう、でしょうか。
高木社長
ああ、間違いない。私が選んだアイドルなんだからね。
北沢志保
ふふっ。何ですか、それ?
高木社長
人を見る目はあるつもりさ。それでこの世界を生き抜いてきたんだから。
高木社長
さてと。すっかり話し込んでしまったね、そろそろ送っていこうか?
北沢志保
いえ、大丈夫です。
高木社長
いやいや、夜道を一人で帰らせる訳にはいかないよ。車を出してくるから…
北沢志保
…プロデューサーさんと可奈から連絡がありました。一緒に帰らないかって。
高木社長
おおそうか、ではエスコートは彼に任せるかな。それじゃお疲れ様、また明日もよろしく頼むよ?
北沢志保
はい!

(台詞数: 48)