矢吹可奈
ごちそうさまでした!
北沢志保
ごちそうさまでした
豊川風花
ごちそうさまでした♪
矢吹可奈
《夕食が終わると、フウカさんが食後の恒例となる、この村周辺に関するお話しを始める》
豊川風花
さて、皆さんも知っていると思いますが、この教会の裏には広ーい森がありますね?
北沢志保
はい。さらに森を抜けると、海に出ます
豊川風花
はい、シホちゃん、よく知っていましたね
豊川風花
この森は、木の実や果物、木材に薬草…私達に様々な恵みをもたらしてくれる森ですが…
豊川風花
日が暮れてからは決して入ってはいけないと言われています…何故だか分かりますか?
矢吹可奈
うーん…暗いから?
北沢志保
夜行性の危険な魔獣が活動し始めるから…でしょうか?
豊川風花
はい、どちらも正しいです
豊川風花
足下が悪い森の中で、周りの見えない夜は大変危険です
豊川風花
それに、最近は随分減りましたが、肉食の凶暴な魔獣も夜は活発に動きます
豊川風花
そして…こんな話があります…
矢吹可奈
(来た!フウカさんのこの表情は、怖い話を始める顔!)
豊川風花
この村には、昔から裏の森に関するある伝説が伝わっていて…
豊川風花
日が沈む夕暮れ時…森に入ると、何処からともなく歌声が聞こえて来るのです…
北沢志保
歌声…
矢吹可奈
歌声…!?
豊川風花
ええ。それはそれは綺麗な歌声で、この世の物とは思えない美しい歌声…
豊川風花
しかし、この歌声を聞くと、頭の中がぼんやりとして意識が朦朧となり…
豊川風花
自分の考えとは関係なく、身体がフラフラと勝手に動き…
豊川風花
どんどんどんどん森の奥へ奥へと入って行ってしまい…
豊川風花
二度とお家に帰る事が出来なくなってしまうのです…!
北沢志保
お…おうちに…帰れなく…!?
豊川風花
その後は何かに憑かれたように、ひたすら森の中をぐるぐるぐるぐると歩き続け…
豊川風花
そのまま息絶えてしまうと言う…
矢吹可奈
あわわ…
矢吹可奈
《二度とフウカさんやシホちゃんに会えなくなる光景を想像して、身体が震える》
矢吹可奈
《チラリと周りを見れば、シホちゃんや他の子も同じように震えている》
矢吹可奈
《たしかに怖い…でも私はそれ以上に、綺麗な歌声という部分に興味を掻き立てられた》
豊川風花
ふふっ、というわけで、皆さんも夜の森には入らないようにしましょうね♪おやすみなさい
矢吹可奈
《フウカさんが笑顔で話を締めると、皆は自分達の部屋へと戻っていく》
北沢志保
あの…フウカさん…さっきの話って…
豊川風花
ふふ、勿論半分くらいは昔の人の創作だと思うわ
豊川風花
最初にシホちゃんやカナちゃんが言ったように、夜の森は危ないから…
豊川風花
村の子供達が森に入らないように、あんな話にしたんだと思うの
北沢志保
ホッ…作り話ですか…
矢吹可奈
え～…じゃあ、綺麗な歌声の所も?
豊川風花
う～ん、そこの部分はどうなのかしら…
北沢志保
どう…というと?
豊川風花
だって、子供達を脅かすなら、もっとストレートに怖い例えでも良いはずでしょう?
豊川風花
だから、何か話の元になった出来事とかがあったのかもしれないわ
矢吹可奈
《フウカさんのその言葉に、私はつい食いついてしまった》
矢吹可奈
じゃあ、本当に聞こえるかな!?綺麗な歌声!
北沢志保
カナ…聞いてなかったの?歌声云々は抜きにしても、夜の森は危険がいっぱいなのよ?
豊川風花
そうですよカナちゃん。子供達を森に入れない為の言い伝えなんですからね?
矢吹可奈
うっ………はあい…
矢吹可奈
《2人に揃ってたしなめられてしまい、私はちょっとブルーな気持ちで布団に入ったのでした…》
(台詞数: 50)