北沢志保
私には、悩みが出来た。
矢吹可奈
『志保ちゃん志保ちゃーん!』
北沢志保
矢吹可奈、私の友人。
北沢志保
いつも私を気に掛けてくれる、健気で優しい女の子。
北沢志保
最近、そんな可奈を見ていると。
矢吹可奈
『あのね!駅前にとっても美味しいクレープ屋さんがあってね!』
北沢志保
尻尾。
北沢志保
ブンブンと、音が聞こえる程に振り回す尻尾が見えてくる。
北沢志保
私の言葉に対して、一喜一憂様々な動きをする。
北沢志保
まるで、必死に甘えてくる小型犬みたいに。
北沢志保
…私自身、可奈の好意はとても嬉しく思っている。
北沢志保
でも、こんな性格だから中々それに応えることが難しい。
北沢志保
それ故私は、なるべく自分の感情を隠すようにしている。
北沢志保
してはいる、けれど。
北沢志保
可奈の、その素直な反応を目の当たりにしてしまうと。
矢吹可奈
『えへへへ、美味しいね〜♪』
北沢志保
どうにも、難しい。
北沢志保
_______
矢吹可奈
私には、一つ悩みがありました。
北沢志保
『………そう』
矢吹可奈
北沢志保ちゃん、私の大切な友人。
矢吹可奈
いつも冷静で、すごく真面目な女の子。
矢吹可奈
志保ちゃんは普段、自分が思ってる事をあまり言ってくれません。
矢吹可奈
だから私は、自分が一々話し掛ける事を嫌がっていると思っていました。
矢吹可奈
でも、最近。
北沢志保
『…別に、いいけど』
矢吹可奈
耳。
矢吹可奈
ピョコピョコって、可愛く動く耳が見えるんです。
矢吹可奈
私の言葉に対して、凄く嬉しそうに反応してるんです。
矢吹可奈
まるで、甘え下手な猫さんみたいに。
矢吹可奈
喜んだ時も、悲しんだ時も、その耳が志保ちゃんの気持ちを教えてくれます。
矢吹可奈
だから、志保ちゃんがどう思ってるのかが一目で分かるんです。
矢吹可奈
ねえ志保ちゃん、美味しい?
北沢志保
『お、美味しい……!』
矢吹可奈
えへへ、すっごく嬉しそう♪
(台詞数: 35)