北沢志保
時間は少し遡って、リツコ達がロコを奪還し脱出を始めた頃
北沢志保
━━━世界樹・中枢エリア『データ管理室』━━━
矢吹可奈
「ここに、その証拠があるの?」
北沢志保
「えぇ……カナは念のために入り口で見張りをお願い。誰か近付いてきたらすぐに教えて」
矢吹可奈
「うん、わかった」
北沢志保
(ピッピッ…ブゥン)「行動記録照会……サミットがあった日は、えっと…」(ピッ)
北沢志保
━━━━━━
北沢志保
「サイレンス……やっぱり、自分の記録は改竄してたわね…」
北沢志保
「でも、“こっち”の記録は誤魔化しようがなかったみたいね。これで………っ!」(バッ)
音無小鳥
「こんな所で何をしているんですか?」
北沢志保
「………サイレンス……そうね、貴女がわざわざ通路を歩いて来るわけなかったわね…」
音無小鳥
「??どういう意味ですか?」
北沢志保
「え?」(………もしかして、カナを認識できてない…?)「……いえ、ただの皮肉よ」
音無小鳥
「まぁ、良いでしょう。それより、ここで何をしていたのですか?“仕事”を放り出してまで…」
北沢志保
「………その“仕事”に不審な点が見つかったから、確認しに来ただけよ」
音無小鳥
「不審な点ですか……私に直接聞いて下されば、ちゃんと説明しますよ?」
北沢志保
「そう……なら、答えて貰いましょうか…」
北沢志保
「貴女が“サミットを襲撃して『災厄』を自ら引き起こした”わけを!」
矢吹可奈
(あ、あれ?いつの間にか、中に誰か居る…!?)
音無小鳥
「おや、何を言うかと思えば……私はアレには関わっていないと言った筈ですが…」
北沢志保
「とぼけても無駄よ、証拠はココにバッチリ残っていたんだから」
音無小鳥
「ココに…?私の行動記録に何か不審な点でも?」
北沢志保
「貴女の記録には何も残っていなかったわ。でも、天使セリカの記録には残っていた」(ピッ)
音無小鳥
(ブゥン…パッ)「っ…!」
矢吹可奈
(うぅ~……なんだか難しい話してて、入るタイミングが…)
北沢志保
「セリカは何故か襲撃の“最中”に会場からセレブリティまで“強制転移”させられている」
北沢志保
「天使長である彼女を“強制転移”できるのなんて、この世界には2人だけ…」
北沢志保
「1人は神、そしてもう1人は貴女……どちらにしても、貴女が関与していないわけがない!」
矢吹可奈
(よくわからないけど、証拠はちゃんと見つかったってことかな…?)
音無小鳥
「……………フ、フフフ……“やはり”貴女が最初に辿り着いちゃいましたか…」
北沢志保
「っ…!認めるのね……この事は他の2人にも話すわ、私達はもう貴女には…」
音無小鳥
「その前にちょっと良いですか?」
北沢志保
「何よ、まだ何か言い逃れするつもり?」
音無小鳥
「いえ、そうではありません。ただ、シホさん………弟さんはお元気ですか?」
北沢志保
「っ…!?な、なんで今、弟のことを…」
音無小鳥
「いえね、しばらく会えていなくて、さぞやご心配だろうと思いまして…」
音無小鳥
「私の手の者にこっそり護衛させていたんですよ」
北沢志保
「な………ま、まさか……貴女…」(ガクガク)
矢吹可奈
(シホちゃん、弟さんが居たんだ…。でも、なんで急に震えだして…)
音無小鳥
「ご安心ください。全てが終わるまで、しっかりとお守りしますよ。全てが終わるまで……ね」
北沢志保
「………それが……貴女の本性ってわけ…?」(く……どうすれば………そうだ!)
北沢志保
(コイツはカナを認識できていない……なら…!)
矢吹可奈
「…?」(シホちゃん、後ろ手で何か………アレは気の形状変化……で、文字を作ってる…!?)
矢吹可奈
(えっと………オ・ト・ウ・ト・ヲ・タ・ス・ケ・テ…!?)
矢吹可奈
(そっか、さっきの話って弟さんが人質に……わかった、待っててシホちゃん…!)
音無小鳥
「さて……それで、何のお話でしたっけ?」
北沢志保
「………いえ、何でもないわ。私の勘違いよ」(チラ)
矢吹可奈
(コクン…タッタッタッ)
音無小鳥
「そうですか、では貴女に“仕事”とは別にやって頂きたいことがあるのですが…」
北沢志保
「く………何を……すれば良いの…」(カナ、ごめんなさい……弟をお願い…)
(台詞数: 50)