WANNA EAT MORE 08
BGM
DETECTIVE HIGH!~恋探偵物語~
脚本家
CAPRI(かぷり)
投稿日時
2017-05-24 00:00:00

脚本家コメント
08ーセッショクー
劇場版の例のシーンを何回か見たとき
可奈はこういう状態だったのではないか
と思っていました。
~前回のあらすじ~
可奈と志保は、志保の身に起きた
謎の症状の原因を突き止めるべく
再びそらの家に行く事を決意する。
そこで見たものとは……。

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北沢志保
~そらの部屋~
北沢志保
またここへ来てしまった。辺りが昨日と全く変わっていない事が、逆に気味悪く感じる……。
矢吹可奈
「う~ん、思いつきでここに来ちゃったけど、本当に何かあるのかな?」
北沢志保
「それはわからない……。でも、やるしかないわ。手分けして探しましょう」
矢吹可奈
「うん、任せて!絶対に手掛かりを見つけてみせるんだから!!」
北沢志保
ふふ、あの可奈が頼もしく見える日が来るなんて。人は成長するものね。
北沢志保
~しばらくして~
矢吹可奈
「うわーん!何にも見つからないよー!志保ちゃん、どうしよう~」
北沢志保
前言撤回、可奈は可奈だわ。
北沢志保
「私の方は少し気になる資料を見つけたわ。読んでみてくれる?」
矢吹可奈
「えっ!何か見つけたの!?ふーむ、どれどれ~?」
矢吹可奈
【摂食障害について】
矢吹可奈
摂食障害とは、若い女性によく見られる精神疾患の一種である。その症状は大きくわけて二つある。
矢吹可奈
一つは食事を拒絶して極端にやせていく「拒食症」
矢吹可奈
もう一つは、異常の量の食事をとっては嘔吐を繰り返す「過食症」である。
矢吹可奈
摂食障害の患者は、精神的に不安定に陥り、様々な精神疾患を併発する事がある。
矢吹可奈
また、他人が症状に気づけない場合が多い為、潜在的な摂食障害患者はかなり多いと考えられる。
矢吹可奈
「う~ん、この過食症っていうのが志保ちゃんの症状と似ているような気がするけど」
矢吹可奈
「意識がなくなっても食べ続けたり、人を襲うわけじゃないし、一体どういう事なんだろう?」
北沢志保
「確かに、症状の関連性については気にはなるけれど、今注目してほしいのはそこじゃないの」
北沢志保
「可奈、昨日そらさんが何を話そうとしたか、覚えてる?」
矢吹可奈
「えっと……なんだっけ?」
北沢志保
「他事務所のアイドルで気になる噂を聞いた。その子がせっしょ──まで言って話が中断したわ」
北沢志保
「この“せっしょ”という言葉。もしかして“摂食障害”と言いたかったのではないかしら?」
矢吹可奈
「あっ!そうかもしれないね!さっすが志保ちゃん!頭いい~♪」
矢吹可奈
「でも、そうすると、そらさんは他事務所のアイドルの病気の事を言いたかったのかな~?」
北沢志保
「そこが謎ね。そらさんが一体何を伝えたかったのか。これだけでは情報が少なすぎるわ……」
北沢志保
他にも一通り探してみたけれど、これ以外は特に気になるものはない。完全に手詰まりだわ……。
北沢志保
「可奈、他に何か気になるものは見つからなかった?……可奈?」
矢吹可奈
「摂食障害、過食症か……」
北沢志保
そういえば、可奈は以前バックダンサーのプレッシャーで、一時的に少し太ってしまう事があった。
北沢志保
摂食障害の一つ、過食症。あの頃の可奈は、その症状の一歩手前だったのではないだろうか?
北沢志保
あの時、春香さんが手を差し伸べていなかったら、可奈は過食症になっていたかもしれない……。
北沢志保
私の症状とは少し違うけれど、当時の可奈の辛い気持ちが少しわかったような気がする。
北沢志保
「あのね、可奈──
北沢志保
「あのね、可奈──あの時の事 \ピンポーン!/
北沢志保
「…………えっ?」
矢吹可奈
「だ、誰か来たみたい!どどどど、どうしよう!今の私達って、不法侵入中なんだよね!?」
北沢志保
「可奈、落ち着いて。どうせ何かの業者よ。静かにしていれば、私達がいる事はわからないわ」
矢吹可奈
「あ、そっか。突然誰かが入ってくるなんて、そんな映画じゃないんだし──
矢吹可奈
???「──隠レテモ無駄ダ。オマエ達ガソコニイル事ハ調査済ミダ」
北沢志保
「──えっ!?」
矢吹可奈
「──お、男の人の声!それに、どうして私達の事を知っているの!?」
矢吹可奈
???「……返事ガナイヨウダナ。フム、仕方ガナイ──
矢吹可奈
???「……返事ガナイヨウダナ。フム、仕方ガナイ──コチラカラ迎エニ行クトシヨウ」
北沢志保
そう言うと、謎の男は玄関を開け、この部屋へ徐々に近づいてくる……。
矢吹可奈
「し、志保ちゃん!入って来ちゃったよ!早く逃げないと!!」
北沢志保
「……残念だけど、この部屋の出口は入ってきた所しかないわ。今からではもう逃げられない」
矢吹可奈
「そ、そんな!私達、一体どうなっちゃうの!?」
北沢志保
足音は部屋の前でピタリと止まり、扉がゆっくりと開いていく。そこにいたのは……。

(台詞数: 50)