矢吹可奈
「……そんな事があったんだね」
北沢志保
「そして今も……。私は可奈すらも食べようとした。どう考えても正常な人間の行動じゃないわ」
北沢志保
「このままだとやっぱり私も……消えちゃうの、かな?」
矢吹可奈
「──っ!そ、そんなの絶対にダメだよ!!」
北沢志保
「……駄目、と言われても、一体どうすればいいの?病院にでも行ってみるとか?」
矢吹可奈
「そ、それは……」
北沢志保
「まぁ、無駄でしょうね。これは明らかに病的な症状じゃない。こんな事は信じくはないけれど」
北沢志保
「あの時、そらさんの部屋で何かに取り憑かれてしまった、という可能性は考えられるわ……」
矢吹可奈
「……それなら、もう一度そらさんの所へ行ってみようよ!」
北沢志保
「……どうして?」
矢吹可奈
「ほら、あれだよ!“事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!”ってやつ!」
北沢志保
「意味が違う気がするけれど、そらさんの部屋を調べてみるというのは……一理あるかも」
矢吹可奈
「じゃあ、一緒に探して──
北沢志保
「いいえ、私1人で行くわ。可奈はここに残っていて」
矢吹可奈
「えっ!どうして!?」
北沢志保
「……これは私自身の問題よ。無関係な可奈と行くわけにはいかないわ」
北沢志保
「だから、もう私に構わないで。私の事は放っておいて……」
矢吹可奈
「志保ちゃん……
矢吹可奈
「志保ちゃん……そんな事、絶対にできないよ!私、志保ちゃんの事、放っておけない!」
北沢志保
「あなた、まだそんな事を!さっきから関係ないって言っているのがわからないの!?」
矢吹可奈
「関係ない?大ありだよ!それがわからない人を1人でなんか絶対に行かせないから!!」
北沢志保
「…………」
矢吹可奈
「…………」
矢吹可奈
「……私ね、いつも思ってたんだけど、志保ちゃんってやっぱりさ──
矢吹可奈
「……私ね、いつも思ってたんだけど、志保ちゃんってやっぱりさ──すっごく優しいよね!」
北沢志保
「は、はぁ!? 今の流れからどうしてそんな言葉が出てくるわけ!?」
矢吹可奈
「だって、私が危険な事に巻き込まれないように、わざと突き放した態度をしているんだよね?」
北沢志保
「そ、そんな事は……」
矢吹可奈
「志保ちゃん、気付いてる?さっきからずっと身体が震えてるよ……怖いんだよね?」
北沢志保
「──っ!?」
矢吹可奈
「う～ん……よし!じゃあこれを聞いてくれるかな?」
北沢志保
「こ、今度は何をするつもり?どんな事をしても私の考えは──
矢吹可奈
「志保ちゃんは～♪
矢吹可奈
「志保ちゃんは～♪ カッコよくって～♪ 優しいんだ～♪」
北沢志保
「ちょ!? な、何?その変な歌は?」
矢吹可奈
「志保ちゃんが元気になっちゃう、とっておきのおまじないだよ～♪」
北沢志保
「…………
北沢志保
「…………はぁ、全く。可奈には敵わないわね」
矢吹可奈
「可奈には敵わない?それってもしかして……ギャグ?」
北沢志保
「はぁ!? べ、別にそんなつもりじゃ──
北沢志保
「はぁ!? べ、別にそんなつもりじゃ──ふ、ふふふ!」
矢吹可奈
「あ、よかった～!志保ちゃん、やっと笑ってくれたね!」
北沢志保
「ふぅ……可奈は本当に強いわね。なんだか余計な心配をかけさせてしまっただけみたいね」
矢吹可奈
「えへへ～♪」
北沢志保
「わかった、一緒に行きましょう。でも、本当にいいの?どんな危険があるかわからないわよ?」
矢吹可奈
「わかってる!でも、志保ちゃんが消えちゃうなんて嫌!だから、絶対になんとかしてみせる!」
北沢志保
「可奈……ありがとう」
矢吹可奈
「うんっ!!」
矢吹可奈
本当は私もすごく怖い。でも、志保ちゃんは大切な仲間……ううん、大切な友達だよ!だから!
矢吹可奈
志保ちゃんは私が護る!!
(台詞数: 50)