北沢志保
__ここは…
北沢志保
__渋谷のとある坂の上にある… ジョージさんのお店。
北沢志保
__昼間に営業していることは、 ほとんど無いらしく…
北沢志保
__10人程度のライブステージと 喫茶店兼バーを営んでいるとのことでした。
北沢志保
……プロデューサーさん、大丈夫ですか?
北沢志保
そんなに息を切らせて…。 無理に喋らない方がいいですよ?
北沢志保
志保)…ジョージさん、お水頂けますか? ジョージ)畏まりまシた。
高木社長
まったく、だらしのない… 君くらいの頃のジョージはもっと屈強だったのになぁ?
高木社長
ジョージ)……president's…ソレは伏せて下さい。
高木社長
志保くん…知ってたかね? ジョージはSAS……
高木社長
ジョージ)shut up…please…頼みますよ…ホントに。
高木社長
ははっ…ジョージ、すまん。 歳を取ると…どうしても昔話をしたくなるよなぁ…w
高木社長
ジョージ)何になさいまスか? 高木)…ブレンドを貰おうかな?
高木社長
ジョージ)畏まりました…そちらのお二方は、何になさいマスか?
高木社長
P)カフェ・オ・レ…出来ますか? ジョージ)御座いますよ?
北沢志保
P)志保は、カフェ・オ・レ…好きだったよな? 志保)はっ…はい。
高木社長
ジョージ)では、カフェ・オ・レをお二つで? P)ああ…私は、モカを…。
北沢志保
…お手間をかけられませんから、私も同じものを…。
高木社長
ジョージ)ははっ…いいんでスよ、志保さん。コレが私の仕事です。
北沢志保
志保)ですが… 高木)そういうところは、お父さんそっくりだな。
北沢志保
志保)えっ…社長、私の父を知っているんですか? 高木)ああ、勿論だよ。
高木社長
今はこんな明るい空間だけどね…昔はもっと、暗い雰囲気でね…
高木社長
ジョージ)さいしょは、jazz喫茶を主体にしていましたから…
高木社長
でも、ステージのレイアウトは変えてないね?
高木社長
ジョージ)そうですね…丁度その柱の辺りですよ、志保さんのおとーさんが演奏していたのは…
北沢志保
__私がそのステージを覗き込むと、木製の低いステージには…
北沢志保
__各パートを示すかのように、床あちこちが擦れて削れていました。
北沢志保
「トンッ♪」ここですか?父が演奏していたのは…。
北沢志保
__と、私はウッドベースの構えでその場に立つ……。
高木社長
高木)そう…だよな? ジョージ)そうですね…その場所でしたね。
北沢志保
P)どうだい志保、お父さんの立っていたステージに立てて…。 志保)そうですね…
北沢志保
…大きなステージではないですけど…大きなエネルギーを受けることの出来る場所だと思います。
高木社長
高木)ほぉ…例えて言うならどんな場所かな? 志保)そうですね…
北沢志保
私達のライブステージと同じ感覚でしょうか…劇場や武道館や野外ステージのような感覚ですね。
北沢志保
P)…成る程なぁ。 高木)何か解ったのかね?
北沢志保
P)いえ、ステージの大きさに関わらず…
北沢志保
P)お客のエネルギーを受け入れる素質は血筋であり才能から来るものなんでしょうね。
北沢志保
志保)プロデューサーさん…私はまだ、駆け出しで… 高木)いや…一理あるね。
高木社長
北沢くん達のステージは確かにこんな小規模だったが…彼らに聴き入ったお客はかなり居たからね。
高木社長
インディーズの彼らを私はプロデュースしようとしたけど…何故かそこまでは必要ないと思った。
高木社長
ジョージ)ソレは何故です? 高木)私も含めてだけど…
高木社長
聞き入る人達が幸せそうに見えて…それ以上に持ち上げる必要はないと感じたね。
高木社長
P)それは、つまりメジャーに広げるにはパワーが足りないと?
高木社長
いや…メジャーに広げても充分通用すると思っていたよ?
高木社長
P)では何故? 高木)…キミは鈍いね…。
高木社長
P)あっ…志保か。 高木)結論が短絡的過ぎるが…まぁ正解か。
北沢志保
志保)そうですか…母もこちらに来ていたんですね…。 P)志保、ココで唄うか?
北沢志保
志保)はい…では、紗代子さんこちらに… P)へ、紗代子?いつから
高木社長
ジョージ)…最近、こちらを練習場に使って貰っているんですヨ。高木)ジョージ、悪いな?
高木社長
P)あの…そんなに瞳を光らせなくても…ちょっ誤解だってのええ〜琴葉に百合子もあぁ〜……
(台詞数: 50)