矢吹可奈
きゅるるるる~~~
矢吹可奈
「あぅ……」
北沢志保
「もう、可奈ったら……。そんなにお腹がすいているの?」
矢吹可奈
「だってぇ~、今日の公開レッスン、すっごく厳しかったし~、もうお腹がペコペコだよ~」
北沢志保
「はぁ、まったく仕方がないわね……」
早坂そら
「ごめんね~、もうすぐお料理が届くと思うから、もうちょっとだけ待っててね」
北沢志保
「あ、はい。お気遣いありがとうございます」
北沢志保
さて、今の状況を簡単に説明しよう。
北沢志保
さて、今の状況を簡単に説明しよう。この部屋は、知り合いのカメラマン、早坂そらさんの私室だ。
北沢志保
あれは、今日の公開レッスンが終わった後の事──
早坂そら
「みんな、この後時間あるかな?ちょっとお話したい事があるんだけど、いいかしら?」
北沢志保
「私は別に予定がないので構いませんが……突然ですね。
北沢志保
「私は別に予定がないので構いませんが……突然ですね。どうかしたのですか?」
早坂そら
「ええ、ちょっとね……。それでどうかな?夕ご飯を食べながらでも。
早坂そら
「ええ、ちょっとね……。それでどうかな?夕ご飯を食べながらでも。もちろん私の奢りよ」
矢吹可奈
「夕ご飯!行きます!いえ、行かせて下さい!
矢吹可奈
「夕ご飯!行きます!いえ、行かせて下さい!ね、ね、志保ちゃんも行くよね!?」
北沢志保
「ちょ、ちょっと可奈!そんなに引っ張らないで!
北沢志保
「ちょ、ちょっと可奈!そんなに引っ張らないで!もう、わかった!私も行くから手を離して!」
北沢志保
──という感じで今に至る。
北沢志保
──という感じで今に至る。ちなみに、他の人は仕事や用事の為、来たのは私と可奈の2人きりだ。
北沢志保
しかし、外食だと思っていたのだけれど、まさかそらさんの家に招待されるとは思わなかったわ。
北沢志保
「それで、話したい事とは一体なんですか?」
早坂そら
「そうそう!実はね~。他事務所のアイドルについて──
早坂そら
「そうそう!実はね~。他事務所のアイドルについて──ちょっと気になる噂を聞いたの……」
矢吹可奈
「気になる噂、ですか?」
北沢志保
そらさんはカメラマンだけど、職業柄かかなり情報通だ。特に芸能関係についてはかなり詳しい。
北沢志保
関係のない話も多いけれど、時々有益な情報を提供してくれる事もあり、助かった事もある。
北沢志保
トップアイドルを目指すものとして、芸能関係の情報量が多いことに越したことはない。
北沢志保
可奈は食事目当てだろうけど、私は情報目的で来たようなものだ。どうやら今回は当たりらしい。
早坂そら
「実はね、そのアイドルの子──
早坂そら
「実はね、そのアイドルの子──せっしょ \ピンポーン!/
早坂そら
\ちわーっす!佐竹飯店です!/
早坂そら
「あ、はーい!今行きますねー!」
矢吹可奈
「佐竹飯店、という事は……
矢吹可奈
「佐竹飯店、という事は……美奈子さんのお店の料理だ~!わ~い♪」
北沢志保
──佐竹飯店。もはや解説不要だとは思うけれど、一応説明しておきましょう。
北沢志保
うまい!安い!
北沢志保
うまい!安い!盛りすぎる!!
北沢志保
うまい!安い!盛りすぎる!!と変な三拍子が揃っている事で有名な佐竹美奈子さんの実家だ。
北沢志保
そらさんが次々と料理を並べ始めると、たちまち食欲をそそる香りが部屋中を満たしていく。
早坂そら
「2人ともおまたせ~。さぁ、じゃんじゃん食べちゃってねー!」
矢吹可奈
「わ~!ありがとうございまーす!それじゃあ、いっただっきま~す♪」
北沢志保
「可奈、わかっているとは思うけれど、あまり食べ過ぎては駄目よ?」
矢吹可奈
「うぐっ!?だ、大丈夫だよ〜。あの時とは違うんだから〜」
北沢志保
「ふふ、確かにそうね。では、私もお言葉に甘えて、頂きます」
早坂そら
「はいは~い、どうぞ~!おかわりもたくさんあるから、どんどん食べてってよね~」
北沢志保
いつもと少し違う光景だけど、平凡で穏やかな日常の一コマ。
北沢志保
でも、このときの私達はまだ知らない。この後に起こる非日常的な出来事を──
北沢志保
──忘れたくても忘れることのできない、あの惨劇の始まりを……。
(台詞数: 50)