北沢志保
我が家にはあいかわらず食っちゃ寝している駄神というべきお稲荷さまがいます。
矢吹可奈
パクパク…今日も元気だ、オヤツが美味し〜い♪
北沢志保
ねぇお稲荷さま、話があるのだけど…
矢吹可奈
何かな、志保ちゃん?
矢吹可奈
何かな、志保ちゃん?ハッ⁉︎まさか…いよいよ私と肉体関係を持ちたいと?
北沢志保
寝言は死んでから言いなさい。(包丁を持ちながら)
矢吹可奈
…ごめんなさい。とりあえず包丁を手放して貰えませんか…
北沢志保
話と言うのはね…お稲荷さまにこの家から出て行って貰う事にしたの。
矢吹可奈
え⁉︎
矢吹可奈
え⁉︎(待てよ、今日は4月1日…はは〜ん、そう言う事か…)
北沢志保
だってお稲荷さま、いつまで経っても生活費入れないんだもの。
北沢志保
昔に比べたら少しはマシになったけどあいかわらず食っちゃ寝だし…
北沢志保
あいかわらず抜け毛とノミがひどいし…
北沢志保
両親から預かっている生活費は私1人分だからやりくりが大変なのよ。
矢吹可奈
あれ?私達が同棲してるのはお義父さん達も知ってるよね?
北沢志保
ペットの分の生活費なんて貰って無いわよ。それと同居ね、お義父さんって呼ぶな。
矢吹可奈
今はまだ、ね。
北沢志保
寝言は毛皮になってから言いなさい。(包丁を持ちながら)
矢吹可奈
ごめんなさい、調子に乗りました。謝りますから包丁を手放して貰えませんか…
北沢志保
分かればよろしい。そんな訳で穀潰しの駄ペットと言うべき駄神を捨てる事にしたのよ。
矢吹可奈
…分かったよ。これ以上、志保ちゃんに迷惑は掛けられないしね。出て行くよ。
北沢志保
あら、随分と物分かりがいいわね。もっと駄々こねるかと思ったわ。
矢吹可奈
本当は私だって出て行きたく無いけど…大好きな志保ちゃんの為だもんね。
北沢志保
…そう。じゃあ、早速で悪いけど…出て行ってね。
矢吹可奈
はーい。
矢吹可奈
(なんてね。志保ちゃんったら今日がエイプリルフールだからってこんな嘘付かなくても…)
矢吹可奈
(そういえば去年、私が嘘付いた時もなんやかんや追い出そうとしてたっけ?)
矢吹可奈
(連続して同じ嘘を付くなんて…志保ちゃんって案外ボキャブラリーが少ないとか?)
矢吹可奈
(ま、いいや。せっかくだからもう少し付き合ってあげよう)
北沢志保
はい、これお稲荷さまの私物ね。あいかわらずほとんど無いけど。
矢吹可奈
ありがとう。準備してくれたんだね。
北沢志保
それと…これは餞別ね。(ビニール袋を差し出す)
矢吹可奈
おぉ〜、何だろう?
北沢志保
さぁ?道端で拾った物だからね。中によく分からない液体入りのペットボトルが入っていたわ。
矢吹可奈
…うん、とりあえずありがとう。
北沢志保
それじゃあ、お稲荷さま。名残惜しく無いけどこれで。
矢吹可奈
うん、それじゃあ。
北沢志保
お稲荷さまの事は忘れるまで忘れないわ。それと毛皮になる気になったらいつでも来てね。
矢吹可奈
うん、それは多分無い。
北沢志保
それではご機嫌よう。
矢吹可奈
バイバーイ。
北沢志保
ふぅ、清々したわ。(バタン、ガチャリ)
矢吹可奈
…
矢吹可奈
……
矢吹可奈
………
矢吹可奈
…………
矢吹可奈
……………
矢吹可奈
………………
矢吹可奈
…………………
矢吹可奈
……………………あれ?
(台詞数: 50)