北沢志保
はぁ………。
矢吹可奈
(じーっ)
北沢志保
(チラッ)
矢吹可奈
(サッ)
北沢志保
………。(スタスタ)
矢吹可奈
(トテトテ)
北沢志保
(くるっ)
矢吹可奈
(サッ)
北沢志保
さっきからついて来て、何のつもりかしら可奈?
矢吹可奈
な、何のことかな〜♪可奈は何も知らないかな〜♪
北沢志保
誤魔化したって無駄よ。あなたの嘘が見抜けないほど私はバカじゃないわよ?
北沢志保
はっきり言って不愉快なんだけど。
矢吹可奈
うっ……だってだって………
矢吹可奈
志保ちゃん、悲しそうな顔してたから………。
北沢志保
………!
矢吹可奈
でも、話しかけたら怒りそうだったから、せめて近くにいようって……
矢吹可奈
ほら、誰かがいれば暗い気持ちも明るくなるかもしれないでしょ?
北沢志保
可奈……
北沢志保
可奈……やってることがまるでペットね。主人の機嫌を窺う犬か猫か……。
矢吹可奈
志保ちゃんひどい!私は人間の友達として……
北沢志保
……。(なでなで)
矢吹可奈
ふにゃ〜♪
北沢志保
やっぱりペットじゃない。
矢吹可奈
ぐぬぬ……いいもん!志保ちゃんが私をどう言おうと今日はずっと側にいるもん!
北沢志保
そう。勝手にして。私は知らないから。
矢吹可奈
じーっ……。
北沢志保
………。
北沢志保
ーーー
北沢志保
(……なにやってるんだろ、私。変な意地張っちゃって。)
北沢志保
(そもそもオーディションに落ちてため息ついたのを可奈に見られたから……。)
北沢志保
(確かにオーディションに落ちたことは悔しい。だけど、いつまでもクヨクヨするものじゃない。)
矢吹可奈
じーっ……。
北沢志保
(それでもなんだろう、あの子の目を見ると、割り切れない悔しさ、悲しさが込み上げてくる。)
北沢志保
(可奈の優しさを感じるから………かしら。)
北沢志保
(とにかく、このままだと可奈に八つ当たりしてるみたいよね。)
北沢志保
か、可奈………。
矢吹可奈
………くかー。
北沢志保
なんで寝てるのよ。
北沢志保
まったく……ほら、こんなところで寝たら風邪ひくわよ?
矢吹可奈
ふにゃ……志保ちゃん………げんき…だして……私が……いるから………
北沢志保
………。
北沢志保
(ぎゅっ)ありがとう、可奈。
北沢志保
私のペット………じゃないわね。
北沢志保
私の………友達。
(台詞数: 44)