北沢志保
__お母さんの軽い声を掛けた方向を見ると…
北沢志保
__病院の玄関に、プロデューサーさんに付き添われた律子さんと…
北沢志保
__騒ぐ様に二人に続く、真美さんと亜美さん…
北沢志保
__そしてプロデューサーさんに問いかける、ここの先生らしい白衣の30代半ばくらいの男性が…
北沢志保
__その先生は待合室まで来ると…側に居た風花さんと目を合わせ、プロデューサーさん達と共に…
北沢志保
__心療内科の病室へと入っていった。
百瀬莉緒
志保母)やれやれ…慌しいわね。
北沢志保
…お母さんは行かなくていいの?
百瀬莉緒
志保母)心療内科に関しては、私は専門外だからね…行ってもしょうがないわ…
百瀬莉緒
志保母)それに、風花ちゃんが行ってくれたからね。
北沢志保
…本当に人手不足なのね。
百瀬莉緒
志保母)まぁ…そういうことよ。
北沢志保
ふぅん…。
百瀬莉緒
志保母)それより…あなた、私に用事があったんじゃないの?
北沢志保
えっ?
百瀬莉緒
志保母)あなた…余程の理由がない限り、この病院に来たりしなかったしね。
北沢志保
……やっぱり、敵わない…か。
百瀬莉緒
志保母)どうなの?
北沢志保
志保)…笑わないでよ? 志保母)なあに?
北沢志保
これ…覚えているでしょ?
百瀬莉緒
志保母)んっ?…ああ、あの人が志保に買ってあげたマスコットよね…大事にしてたんだ。
北沢志保
そうなんだけど…ここ、千切れちゃったの…。
百瀬莉緒
志保母)……。
北沢志保
猫さんを治してくれる職人さんって、近くにいるの?
百瀬莉緒
志保母)居ない事はないけど… 志保)えっ?何処に?
百瀬莉緒
志保母)日本で買ったんじゃないのよね…その子。
北沢志保
えっ…。
百瀬莉緒
志保母)あの人が海外出張の時にあなたと私にって買って来たものなのよ…
北沢志保
そうなんだ…。
百瀬莉緒
志保母)志保…私の猫さんを持ってく?
北沢志保
えっ…いいの?でっ…でも、お母さんの猫さんでしょ?
百瀬莉緒
志保母)そうね…今となっては、私とあの人との唯一の思い出の品になってしまったけど…
北沢志保
…そんな…貰えないわよ。
百瀬莉緒
志保母)…大人に成ったのね(小声)…その鎖はいつ壊れたの?
北沢志保
事務所のクリスマス会の時に…みんなとはしゃいだ時だと思うの…みっともないでしょ……
百瀬莉緒
志保母)……じゃあね、志保…貴女の机の上で待って貰ったら?
北沢志保
えっ?
百瀬莉緒
志保母)仮に…鎖が切れた原因が「はしゃいだ」事だとすれば…多分、治しても他がダメになるわ。
北沢志保
志保)そっか…仕方ないよね。 志保母)それに…今は寂しい事なんて無いでしょ?
北沢志保
まあね…仕事が増えて、学校の友達には会えないけど…同い年の静香や未来達がいるしね。
百瀬莉緒
志保母)ふふっ…私の知らない顔をするようになって…猫さんも安心して鎖を解いたんじゃない?
北沢志保
鎖を…解いた?猫さんが鎖を解いたの?
百瀬莉緒
志保母)…って、考えた方が自然だと思うわ…私はね♪
北沢志保
…お母さん…。
百瀬莉緒
志保母)なあに?
北沢志保
お父さんとの馴れ初めを聞かせて?
百瀬莉緒
志保母)ちょっ…ちょっと、どうしたのよ志保…///
北沢志保
お母さんが、お父さんに「そういう惚れ方」をした経緯が知りたいかなぁ〜って…いいでしょ?
百瀬莉緒
志保母)う〜…プロデューサーさん、志保にどんな教育をしているのよぉ〜///
百瀬莉緒
志保母)こんな展開は想定外よぉ〜///
(台詞数: 50)