北沢志保
"可奈へ"
北沢志保
"あなたがこの手紙を読んでいるということは、きっと私はもうこの世にいないのでしょう。"
北沢志保
"数年前、あなたは魔法少女の力に目覚め、世界の危機を何度も救った。"
北沢志保
"人々はあなたを救世主と崇め、感謝と憧れの目で見ていた。"
北沢志保
"それに応えるかのように、あなたは世界を救い続け、笑顔を振りまいていった。"
北沢志保
"でも私は気づいていたの。いつの日からか、あなたの笑顔がぎこちないものになっていたことに"
北沢志保
"あなたは世界を救う為に戦った。戦い続けた。救世主であり続けた。"
北沢志保
"その度にあなたの心は摩耗し、ただ戦うための機械のようになっていた。"
北沢志保
"そのことに誰も気づかず、人々は、世界はあなたに救いを求め続けた。"
北沢志保
"本当に救いを求めなければいけないのは、あなたの方だったのに。"
北沢志保
"……誰一人、あなたを救う者はいないというのに。"
北沢志保
"私はそれが耐えられなかった。あなたが壊れていくことが。あなたの笑顔が消えていくことが。"
北沢志保
"どんなに平和な世界であっても、あなたが笑顔でいられないなら、そんな世界はいらない。"
北沢志保
"だから、あなたから笑顔を奪ったこの世界を壊そうと思った。"
北沢志保
"私にとって、世界なんかよりあなたの方がずっと大切だから。"
北沢志保
"きっと私はあなたの敵になるでしょう。今から世界の敵になろうというのだから。"
北沢志保
"あなたはそれを望んでいないかもしれない。私の独善的な行動かもしれない。"
北沢志保
"それでも、私は戦う。これが私にできる、あなたを救う唯一の方法だから……。"
北沢志保
"さようなら。私の大好きな可奈"
北沢志保
"願わくば、最期はあなたの腕の中で………"
矢吹可奈
志保ちゃん………。
矢吹可奈
ーーー手紙を閉じる
矢吹可奈
ーーー親友は、どんな思いでこの手紙を書いたのか。私には計り知れない
矢吹可奈
ーーー自分がいなくなることを覚悟した上で、彼女は世界の敵になった。なのに……
矢吹可奈
なのに……どうしてこうなっちゃったんだろうね?
北沢志保
……知らないわよ。
矢吹可奈
ーーー隣で顔を真っ赤にした張本人に聞いてみる。わー、耳まで真っ赤だ。
北沢志保
しょ、しょうがないじゃない。あなたを管理していた組織を奇襲したら、
北沢志保
予想以上にうまくいって、そのまま壊滅しちゃったんだから。
北沢志保
そもそも、「志保ちゃんと戦うことなんてできないよー!」なんて言って、
北沢志保
泣き出した可奈が悪いのよ!
矢吹可奈
ええっ!?私のせい!?
北沢志保
覚悟を決めさせようと攻撃しても、全く効かないし!どういうことよ!?
矢吹可奈
だって、志保ちゃん程度の魔法だったら、ちょっとバリア張れば防げるし。
北沢志保
なんですって?(ぐりぐり)
矢吹可奈
うにゃー!痛い痛い!物理攻撃はやめて〜!
北沢志保
はぁ……その後、私は指名手配されるかと思いきやあなたの記憶操作で世間から事件を忘れ去られ。
矢吹可奈
全人類規模の記憶操作って大変だね。3分かかっちゃった。
北沢志保
………。(ぐりぐり)
矢吹可奈
痛い痛い!なんで〜!?
北沢志保
本当に散々だったわ。自分が何をしたかったのか分からなくなるくらい……。
矢吹可奈
でも、志保ちゃんのおかげで私は自由になったよ!
矢吹可奈
基地に引き篭もらなくていいし、私のやりたいことがいつでもできるようになったよ!
矢吹可奈
だからね、えっと……
矢吹可奈
私のために頑張ってくれてありがとう。志保ちゃん。
北沢志保
………うん。
矢吹可奈
あ!そうそう。……えいっ♪(だきっ)
北沢志保
な、なによ急に。
矢吹可奈
え?だって、最後は私の腕の中で〜って手紙に書いてあったから。
北沢志保
そういうことじゃないわよ。もう………。
(台詞数: 50)