北沢志保
「はぁああ!!!」(ズバッ)
北沢志保
私は今日も剣を振る。
北沢志保
それが私の日常だからだ。
北沢志保
私が剣を振るい、悪を裁くことで私達は生活ができる。
北沢志保
私にはたった一人の妹のように可愛がっていた友がいた。
北沢志保
彼女は生まれつき身体が弱く、一人での生活はままならなかった。
北沢志保
だから私がこうして剣を振り、悪を裁き、お金を手に入れることで
北沢志保
あの子に栄養のあるものを食べさせてあげていたのだ。
北沢志保
あの子は私の帰りを待ち望んでいた。
北沢志保
それは私が栄養のつくご飯を持ってきてくれるからではなく…
北沢志保
ただ、私と一緒にいる時間が好きなだけだった。
北沢志保
そんなことも知らない私は、今日も剣を振るう。
北沢志保
もちろんあの子に元気になってもらうためだった。
北沢志保
しかし、あの子の容体は悪化していくばかりだった。
北沢志保
私は、もっともっと剣を振るいあの子にもっと栄養のあるものを食べさせようと考えていた。
北沢志保
もっと…もっと剣を振るうことで…あの子の為に…
北沢志保
そんなことばかり夢中になっている私に悲劇が襲い掛かった。
北沢志保
いつも通りに剣を振るい、栄養のある食べ物を持っていったその時だった…
北沢志保
あの子が倒れていたのだ。
北沢志保
私はすぐに彼女の元に駆け寄った。
北沢志保
だが…彼女はもう限界だった…
北沢志保
最後の力を振り絞り彼女はこういったのだった…
北沢志保
『栄養のある美味しいご飯を用意してくれるより…あなたともっと一緒にいたかった…』っと。
北沢志保
「あ…ああ……あぁああああああ!!!」
北沢志保
私は、失ってからやっと気づいたのだった。
北沢志保
彼女はどんなに美味しいものより…
北沢志保
どんなに栄養のあるご飯より…
北沢志保
私と一緒にいたかったのだと…
北沢志保
………。
北沢志保
私は…今日も剣を振るう。
北沢志保
剣を振るい、悪を裁くことで今日も生活することができる。
北沢志保
だが…私の剣を振るその姿は…
北沢志保
昔と比べて、どこか寂しげな表情を浮かべていたのだった…
(台詞数: 33)