大神環
だめだぞちゃんと水飲まないと。倒れたのがたまきの前じゃなかったら復活前のイムホテップ。
北沢志保
復活前のイムホテップ。
北沢志保
私、どれくらい寝てたの?
大神環
3000年くらい!
北沢志保
いやそれイムホテップの話でしょ?
大神環
えーと、たまきが起きたのがこの時間で、今この時間。
北沢志保
……時計読めないの?その割にはさっき「もうこんな時間」とか言ってたじゃない。
大神環
いや、起きた時大体の人間は「もうこんな時間かー」って言うよ。
北沢志保
復活した時のイムホテップは言ってなかったけどね。
北沢志保
それで、あなたはあそこで何してるの?一応この場所は入っちゃ駄目な事に……
大神環
たまきは良いの!
北沢志保
……その服装は?やっぱりクールビズ?
大神環
え、知らないのお姉ちゃん。この街では外出時は水着に着替えないと現地の悪霊が……
北沢志保
え、悪霊?
大神環
ていうのは冗談だけど、こんくらいのカッコウじゃないとだるい。
北沢志保
ふうん。で、あの電車で何してたの?
大神環
……息。
北沢志保
(あ、やっぱりそれは答えないんだ)
大神環
あ、そんな事よりお腹空いたしなんかたーべよ。ガサゴソ
北沢志保
あら、その荷物食べ物だったのね。ここに来るだけあって流石に沢山持ってきて……
北沢志保
ちょっと!これ全部お腹膨れるけど栄養そんなに無い感じの奴じゃない!だめよこんなのばっかり!
大神環
えー、だってたまき錬金術出来ないし……
北沢志保
先に料理を試しなさいよ。私が作ってあげるから待ってて。
大神環
へえ、包丁とかいっつも持ち歩いてるんだ!もしかして猟奇的な人?
北沢志保
いや、一人旅に慣れてるからこれくらい。
大神環
一人……慣れてる……まさか友達がいない……
北沢志保
今それは関係ないでしょ。お口チャックしないと食べさせてあげないから。
大神環
……
北沢志保
……
大神環
へっほうんまへへふへ。
北沢志保
私の機嫌を損ねないなら口開けて良いわよ。
大神環
結構慣れてるね。
北沢志保
……小さい頃からやってたから。うち、キッチン3つあるし。
大神環
たまきの苗字も3つあるよ!
北沢志保
複雑な環境過ぎでしょ。はい出来たわ、野菜の端スープよ。
大神環
やったあ!いただきまーす!モッキョモッキョ
北沢志保
どう?上手くできてる?
大神環
ハムナプトラを思い出す味!
北沢志保
食物に対して最大級の侮蔑。
大神環
あ、でもお姉ちゃんの分。勝手に食べて良かったの?
北沢志保
私は良いのよ。霞を食べて生きていけるから。
大神環
……
北沢志保
……え、普通に冗談なんだけど?いきなりふさぎ込み過ぎじゃない?
大神環
……あのね、お姉ちゃん
北沢志保
志保で良いわ。
大神環
シホホテップ。
北沢志保
志保で良いわ。
大神環
たまきね……ここでずっと待ってるんだ。
北沢志保
四季から切り離されて、夏を延々と巡っている街。
北沢志保
彼女もまた、そんな夏にとらわれ、抜け出せない一人だった。
(台詞数: 50)