盛詩
BGM
夢色トレイン
脚本家
Կիշիրա
投稿日時
2016-07-08 06:09:41

脚本家コメント
(続き物ってわけじゃないです)今年の夏暑すぎませんか。皆様お気をつけて。
これ関連のDRAMA書いたときだけやっぱり不具合でて少なからずセリフ消えました。祝われてます。

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北沢志保
四季のスパンって人間に合って無いんじゃないかしら。
北沢志保
俗世と関わらない様に一人で歩いてきたせいか、最近文句の矛先が自分でも判るくらい酷い。
北沢志保
と言うのは分かっているけれど、やはり四季が一周するのに1年もかかるのは長すぎる。
北沢志保
先週までは雲と雨に支配されていた空、今週はただの暑さでしかない。薄着で来るべきだった。
北沢志保
この梅雨から夏と言うセットリストは毎年同じはずなのに、今年もまた同じ様に苦しんでいる。
北沢志保
滑稽だ。人は一年かけて一年を忘れる愚鈍な生き物でしかないはのだ。世界が合わせるべき。
北沢志保
せめて、日差しから身を守る物を持ってくれば良かった。ぬかった。
北沢志保
ここでは、人の助けは望めない。
北沢志保
確かめるまでもなく、ここら一帯の店は何十年も前にセールする間もなく閉店しているはずだ。
北沢志保
……ここへ来たのは、面白い噂を聞いたからだ。よくある都市伝説。
北沢志保
この街を一周するように覆う金網。その東側には深い森があって
北沢志保
ある時、近隣の住民がその森に入っていく白い少女を見たらしい。
北沢志保
面白半分で少女についていったが、途中で見失ってしまった。そして村に帰り他の人に聞くと、
北沢志保
誰も、その少女が森から出るところを見ていないと言う。村人達で森を捜索したが、結局。
北沢志保
見つからないままだった……。
北沢志保
ふーん。よくある都市伝説というか絵本とかでよくある昔話の類だ、何も怖いことはない。
北沢志保
その話を聞いた私は森を見てみることにしたのだ。
北沢志保
森の中には猟師さんと二人で入った。私は一人で良いといったが、先方がどうしてもと言うので。
北沢志保
仕方なく、仕方なく着いて来てもらった。現地の方のメンツを潰すわけにはいかない。
北沢志保
深く深く進んでいくと、例の金網に突き当たった。死地と生地の境界だそうな。
北沢志保
その向こうは冗談みたいに草の一本も生えておらず、日光を浴びた空気が揺れていた。
北沢志保
そして足下、その金網に穴が空いているのに気づいた。なるほどね。
北沢志保
猟師さんに礼と、ここからは一人で良いと言うと、その穴をくぐって乾いた地面を踏んだ。
北沢志保
いくら死地であろうと、これだけ明るければ何の恐怖も無い。あ、別に暗くても怖くないけれど。
北沢志保
きっと白少女は私と同じ様な趣味の人間だったのだろう。ここから中へ冒険に出たのだ。
北沢志保
そして今に至る。あれだけ光を求めていた私が今は影を欲している。上手いこと言う私。
北沢志保
日影……水……富……と、今欲しい物をぐるぐる呟きながら顔を上げたその時!
北沢志保
荒野に佇む車、バス?を発見した。これは中でくつろげるタイプの影!
北沢志保
足早に駆け寄ると、その大きな箱の壊れ具合というか、物凄く錆びてる事に気づいた。
北沢志保
……まあ、日が防げれば同じよね。というか、これ線路?と言うことは電車?いやでも……
北沢志保
いや、どちらにせよ今の私にとってはただの太陽ガード!さっさと侵入しましょう!
北沢志保
さて、どうせドアは開かないしどこから入れるだろう……とぐるぐる回っていると。
北沢志保
完全にガラスの無くなっている窓の下に、大小様々な石が積み上げてあり……
北沢志保
あからさまに入り口になっている。なんかこわ、もとい怪しい。
北沢志保
しかし暑さに耐えられなかったり好奇心が強かったりした私は瞬間でその足場を駆け上がり!
北沢志保
持ち前の体さばきでアクロバティックに乗車したその車中にあったものとは!
大神環
「むにゃ……」
北沢志保
……廃電車の妖精さんかな?随分クールビズなのね。あ、もしかして噂の少女……
北沢志保
なんて、予想外の光景に戸惑っていたその時!
北沢志保
ピピピピピピピピピ!!!
北沢志保
突如鳴り響く奇音!それが鼓膜に届くやいなや私は咄嗟に臨戦態勢を取る。
大神環
「ふわぁ、もうこんな時間なのか。ってあれ?」
大神環
「お姉ちゃんだれ?」
北沢志保
「私はいつも冷静沈着な旅人、志保よ」
大神環
「……なんで寝てるの?」
北沢志保
「転んでない!有事に備えて姿勢を低くしてるの」
大神環
「はあ〜また他の人に入られちゃったよ。たまきのヒミツキチなのに」
北沢志保
色々聞きたいことはあったけれど、どうやらここで一区切り。
北沢志保
体力の限界が来ていたのか、その場で少女と交代に眠りについてしまう。
北沢志保
今年の夏は、そういう風に始まった。

(台詞数: 50)