『声を失くした少女』13話
BGM
ホントウノワタシ
脚本家
れみす
投稿日時
2016-05-29 21:13:54

脚本家コメント
第13話「決断」
可奈の『』は紙に文字を書いているということでお願いします。
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矢吹可奈
『プロデューサーさん、私達のライブはどうなるんですか?』
黒井社長
P「それなんだが…可奈の声がいつ戻るかわからない以上どうするか…」
北沢志保
………。
矢吹可奈
『私は、志保ちゃんだけでもライブに出てほしいって思ってます。』
北沢志保
可奈!?
矢吹可奈
『せっかくの単独ライブ、今から中止にしたらファンの皆さんに申し訳ない気がして…』
黒井社長
P「たしかに…ライブまでもうあまり時間もないからな…だが…」
北沢志保
でも私…可奈がいないライブなんて…
矢吹可奈
『私の代わりに杏奈ちゃんがいるでしょ。一緒にレッスンもしてたから大丈夫だよ。』
北沢志保
でも…
矢吹可奈
『それに、私も出ないなんて言ってないよ。』
北沢志保
それってどういう…
矢吹可奈
『プロデューサーさん。私、志保ちゃんの専属バックダンサーになります。』
北沢志保
可奈!?
矢吹可奈
『今の私は歌うどころか声さえ出ないので…』
矢吹可奈
『でも私にはまだこの身体がある!バックダンサーとして志保ちゃんと一緒に出たいんです!』
北沢志保
可奈…
黒井社長
P「気持ちはわかるが…バックダンサーとなると振り付けもまた変わってくるぞ?」
矢吹可奈
『私は…やれることをやりたいんです。お願いします。』
北沢志保
こんなこと言える立場じゃないのはわかってますが…私からもお願いします。
黒井社長
P「そうだな…やれることはやってみるか。よし分かった。後のことは俺がなんとかするよ。」
黒井社長
P「ただし!可奈の負担がかかり過ぎるといけないから練習時間の制限はつけるからな!」
北沢志保
プロデューサーさん…ありがとうございます。
黒井社長
P「志保、今日はもう帰って休みなさい。色々あって疲れただろう。」
北沢志保
はい、わかりました。
北沢志保
可奈…ぐす…。私、頑張る。あなたの為にも笑顔でいるから…。
北沢志保
笑っているから…まだ私と…私の友達でいてくれますか?
矢吹可奈
『もう、志保ちゃん。泣いてたらせっかくの顔が台無しだよ。』
矢吹可奈
『それに私達は友達じゃないよ。』
北沢志保
やっぱり…
矢吹可奈
『私達は…親友でしょ。ね。』
北沢志保
可奈…ありがとう…。
矢吹可奈
『ほら、私は今日はここに泊まるから志保ちゃんは家に帰ってゆっくり休んでね。』
北沢志保
うん。また明日ね。可奈。
北沢志保
(たったった…)
矢吹可奈
………。
黒井社長
P「………。」
黒井社長
P「可奈…志保はもう行ったぞ。辛かっただろう?」
矢吹可奈
ポロ…ポロ…『頭の中ではわかってるんです…志保ちゃんのせいじゃないって…』
矢吹可奈
『でも…でも…』
矢吹可奈
『私の身体が…声が…あの言葉が私を縛りつけるんです…』
矢吹可奈
『プロデューサーさん、志保ちゃんをどうか見捨てないでください。』
黒井社長
P「大丈夫だ。志保も可奈も絶対に見捨てたりなんかしないよ。」
黒井社長
P「だから…今日は思いっきり泣いて大丈夫だよ。」
矢吹可奈
(志保ちゃん…ごめんね…)
矢吹可奈
(こんなに弱い私でごめんね…)
北沢志保
………。
北沢志保
………。(ギュウ)

(台詞数: 48)