北沢志保
我が家には勝手に住み着いた駄神というべきお稲荷さまがいます。
矢吹可奈
志保ちゃ〜ん、お腹空いたよー。何かちょうだい。
北沢志保
はぁ、この食っちゃ寝の駄神が…
矢吹可奈
えー。最近は家事の手伝いもしてるじゃんか。
北沢志保
なんだか余計に散らかったりして仕事が増えてるのは私の気のせいかしら?
矢吹可奈
気のせい、気のせい。
北沢志保
ほぅ…
矢吹可奈
あ…そ、それより何かちょうだいよ〜。
北沢志保
仕方ないわね。はい、いなり寿司よ。
矢吹可奈
わお♪いっただっきまーす!
矢吹可奈
わお♪いっただっきまーす!ゲホッゴホッガハッ…何コレ⁉︎
北沢志保
いなり寿司のバリエーションの1つ、わさびいなりよ。
北沢志保
もっともわさびは1000%増(当社比)だけどね。
矢吹可奈
何て物を…志保ちゃんは私を殺す気?
北沢志保
そんな簡単には死なないわよ。
矢吹可奈
志保ちゃん、日本神話知らないの⁉︎日本の神さま結構簡単に死ぬよ!
北沢志保
チッ…
矢吹可奈
何で残念そうな顔してるのさ!というか今の舌打ちは何⁉︎
北沢志保
ウチの食っちゃ寝して毛とノミと獣臭を撒き散らす駄神は何時になったらいなくなるのかなと。
矢吹可奈
いろいろヒドい!
矢吹可奈
こうなったら…私だって神さまの端くれ。有能だってところを見せてあげるよ。
北沢志保
あら、本当に?
矢吹可奈
志保ちゃん、何かお願い事を言ってみて。叶えてあげるよ。
北沢志保
お願い事ねぇ…
北沢志保
お願い事ねぇ…この前衣替えをしてたのよ。冬服をしまっていて気付いたのだけど…
矢吹可奈
うん、うん。
北沢志保
そうしたら毛皮のコートやマフラーが古くてボロボロな事に気付いたの。
矢吹可奈
ほう、ほう。
北沢志保
だから新しいのが欲しいかな、って。
矢吹可奈
分かったよ。私が何とかして新しいのを用意してあげるよ。
北沢志保
よろしくね。特別な狐の毛皮がいいわね。
矢吹可奈
え…
北沢志保
ふふふ。楽しみだわ。
矢吹可奈
それはどういう…
北沢志保
あ、ちゃんとノミは駆除しておいてね。
矢吹可奈
えーと…
北沢志保
まさか本人から進んで毛皮になってくれるなんてね…
矢吹可奈
あの…志保ちゃん?
北沢志保
あら、まだいたの?早く加工場に行きなさいよ。
矢吹可奈
……
北沢志保
仕方ないわね。電話して業者さんに引き取りに来てもらうか。(ピッポッパッ)
矢吹可奈
うわ〜ん、志保ちゃんのバカーー!
(台詞数: 42)