矢吹可奈
「しーほちゃんっ!」
北沢志保
「……可奈。なに?」
矢吹可奈
「ぼーっとしてるみたいだったから。ちょっと気になって…」
北沢志保
「……そう」
北沢志保
「ちょっとね…。こういうのいいなと思って…」
矢吹可奈
「…こういうの?」
北沢志保
「みんなと合宿をして、ご飯を食べて、お風呂に入って…」
北沢志保
「こうして、星空の下で花火をして…」
矢吹可奈
「……」
矢吹可奈
「……えっ?」
北沢志保
「どうして…驚くの?」
矢吹可奈
「えっ、あっ…ご、ごめんね」
北沢志保
「…冗談よ。自分でも驚いてるの」
矢吹可奈
「…そっか」
矢吹可奈
「ねえ、志保ちゃん」
北沢志保
「なに?」
矢吹可奈
「なんか、懐かしいよね。…この場所」
北沢志保
「そうね。……ええ、懐かしい」
北沢志保
あれは…
北沢志保
あれは…私たちが、春香さんたちと初めて出会った時。
北沢志保
私は、みんなとまともに話すことも、笑うこともしなかった。
北沢志保
あの頃と比べると、大きく変わった私の日常。
矢吹可奈
────『おはよう、志保ちゃん♪』
北沢志保
────『ええ、おはよう。可奈』
北沢志保
挨拶をされれば、自然と返して、笑いあって…
北沢志保
心が温かくなって…
北沢志保
友達、共に歩く仲間…
北沢志保
以前の私だったら、きっと受け入れられなかったと思う。
北沢志保
でも、今は…
北沢志保
でも、今は…違う。私には…
矢吹可奈
「♪笑うことを思い出した───』
矢吹可奈
「♪絵本の中でみた“笑顔”」
北沢志保
「………可奈」
北沢志保
「ふふっ。音…外してる」
矢吹可奈
「ふえっ?ほ、ほんと?」
北沢志保
「ホントよ。まったくもうっ…ふふっ」
矢吹可奈
「ああっ、ひどいよ。笑うなんて…」
北沢志保
「ご、ごめんなさい」
矢吹可奈
「でも志保ちゃん…笑えてるね」
北沢志保
「……ええ。そうね」
北沢志保
うん、笑ってる。私は笑えてる。自然に…
北沢志保
「ねえ、可奈…」
矢吹可奈
「……なに?志保ちゃん」
北沢志保
「えっと……」
北沢志保
「……ありがとう」
(台詞数: 45)