北沢志保
我が家には私に何か言いたげな駄神というべきお稲荷さまがいます。
矢吹可奈
志保ちゃん。今日は志保ちゃんに言いたい事があるんだ。
北沢志保
あら、何かしら?
矢吹可奈
実は、志保ちゃんが作る御飯が不味いんだ。
北沢志保
なら食べなきゃいいんじゃない?
矢吹可奈
実は、志保ちゃんのその綺麗な黒髪が気に入らないんだ。
北沢志保
お稲荷さまの髪がボサボサなだけじゃないの?
矢吹可奈
実は、志保ちゃんのその83(成長中)が妬ましいんだ。
北沢志保
重いし肩こるし、いい事ないけどね。
矢吹可奈
…1度でいいから言ってみたい…
北沢志保
ん?
矢吹可奈
ゴホン。そして私が1番言いたいは…
矢吹可奈
志保ちゃんなんて大っ嫌いだ!
北沢志保
ふーん。
北沢志保
ふーん。私もお稲荷さまの事は嫌いよ。
矢吹可奈
え…
北沢志保
でもこれでお互いの気持ちが分かったわけね。
北沢志保
そういう訳だから…はい、これ。
矢吹可奈
何これ?
北沢志保
お稲荷さまの私物よ。あまりなかったけど。
矢吹可奈
えーと…つまり?
北沢志保
嫌いな私とこれ以上いたくないでしょ?
北沢志保
今度は気が合う同居人が見つかるといいわね。
矢吹可奈
し、志保ちゃん⁉︎
北沢志保
さようなら、お稲荷さま。あなたの事は忘れるまで忘れないわ。
矢吹可奈
志保ちゃ〜ん…
北沢志保
あら、どちら様かしら?初めまして。
矢吹可奈
もう忘れてる⁉︎
北沢志保
どこのどなたか存じませんがここはあなたがいるべき場所ではありません。お帰り下さい。
矢吹可奈
志保ちゃ〜ん。意地悪しないでよ〜。(ヒシッ)
北沢志保
ええい、離しなさい。見ず知らずの駄神め!
矢吹可奈
志保ちゃ〜ん…(モミモミ)
北沢志保
なに揉んでるのよ!(ゴスッ!)
矢吹可奈
げふぅ…モロに膝がお腹に…
北沢志保
まったく、どさくさに紛れて…
矢吹可奈
志保ちゃん…ひどい…赤ちゃん産めなくなったらどうするの…
北沢志保
安心しなさい。そんな機会は永遠にないから。
矢吹可奈
それもひどい!
北沢志保
で、あんな事言い出してどうしたのよ?
矢吹可奈
だって今日は嘘をつかないといけない日だって聞いたから…
北沢志保
お稲荷さま。今日は嘘をついていい日だけど、つかないといけない日じゃないわよ。
矢吹可奈
ええ⁉︎そうなの?
北沢志保
どうやらまんまと騙されたみたいね。
矢吹可奈
うぅ、猿神茜ちゃんめ〜。
北沢志保
ま、このくらいの悪意がない嘘なら大目に見なさいよ。むしろ騙される方が間抜けよ。
矢吹可奈
志保ちゃんがそう言うなら…でもさすが志保ちゃんだよね。
北沢志保
何が?
矢吹可奈
だって私が嘘を言っているのに気付いて嘘で返して来るんだもん。
北沢志保
え?
矢吹可奈
え…
(台詞数: 50)