二階堂千鶴
そんな!なんてことですの!
黒井社長
つまりだ!この店のコロッケは、うちの製法技術を盗用している!
黒井社長
よって、この店のコロッケはすべて!いいか、すべてだ!販売を中止するんだ!
黒井社長
でなければ、特許権の侵害により、さらに多額の賠償金を請求させてもらうことになるぞ!
二階堂千鶴
う、うちの2度揚げ技術は、お肉の鮮度管理、衣の付け方、油の温度、揚げるタイミング
二階堂千鶴
すべて、お祖父様の代から引き継いできたもの
二階堂千鶴
盗用したのは、あなた方ではなくて?ねえ、北沢先生?
北沢志保
あの、ちづ……二階堂さん。
北沢志保
人はなぜ、他の人のものを盗まないのだと思いますか?
二階堂千鶴
そ、それはどういう意味ですの??ダメなものはダメと、そう教わってきたからではありませんの?
北沢志保
そう、それは倫理です。そんなことしちゃいけないって倫理観に人々は支配されているんです。
北沢志保
そして、その倫理を守るために法律が定められたんです。
二階堂千鶴
それなら、尚更
北沢志保
でも、二階堂さん
北沢志保
ビジネスの世界には、法律しかないんです。
北沢志保
倫理なんて必要ない、 法律さえ守っていれば何をしたって罰せられることはない。
北沢志保
……やり方次第で相手の息の根を止めることだって出来る。
二階堂千鶴
そ、それじゃ北沢先生は、特許を持っている黒井フーズの方に、利があるとおっしゃるの!?
北沢志保
……すみません千鶴さん。
黒井社長
ふはははははは!さあどうする二階堂の女社長さん!?
黒井社長
この店さえ取り押さえ出来れば、私らはこれ以上何も要求しない!和解金も減額してやろう。
黒井社長
一方、これ以上交渉させる気ならば、特許侵害の賠償金が、そうだな……最低でも1億
二階堂千鶴
い、1億!!??
黒井社長
もう、答えは分かりきってるな!ふはははははははははは!
二階堂千鶴
これは困りましたわ。……こんな金の亡者のような輩に、コロッケの技術を奪われてしまうなんて
北沢志保
……でも、千鶴さん。まだ負けてないです。
二階堂千鶴
え?北沢先生!?今なんと?
北沢志保
……コロッケの揚げ方は確かに盗用され、特許権を取られました。しかし、
北沢志保
コロッケに付ける特製のソース!これだけは真似できなかった!
北沢志保
実は、黒井フーズがこの店ごとの取り押さえにこだわるのは、この秘伝ソースが狙いなんです。
黒井社長
き、貴様!余計なことを!こちらに不利な情報を漏らしてどうする!
二階堂千鶴
そうですよ北沢先生!なぜそのような事を私に教えてくださるのですか??
北沢志保
黒井社長……確かに私は貴方に雇われました。
北沢志保
けれど同時に、二階堂精肉店も私の顧客なんです!
北沢志保
正確には、依頼主は二階堂精肉店の初代社長ですが
二階堂千鶴
お、お祖父様!?
北沢志保
そして、依頼を受けたのは私の父。……仕事熱心だった父から、いつも聞かされてきました
北沢志保
「二階堂精肉店にもしもの事があったら力になるように」と。
黒井社長
な!私はお前にいくら払っていると思っているんだ!……いくらだ!二階堂にいくら貰った!?
北沢志保
……コロッケです。美味しいコロッケをいつも、たくさん頂いたと聞いています。
黒井社長
た、たかがコロッケごときで私を裏切るのかぁ!!
北沢志保
裏切りではありません。あくまで私は顧客のために働いているだけです。
北沢志保
それに……そのコロッケによって巨額の富を手に入れた貴方が、たかが、なんて言っていいんですか
黒井社長
ぐ、、ぬぬぬ……
北沢志保
と言っても、ちづ……二階堂さん。二階堂精肉店が不利な状況であるのは変わらないんですが。
二階堂千鶴
……いいえ。十分ですわ北沢先生……いや、志保。……あなたの想い、しかと受取りましたわ。
二階堂千鶴
社員数1万5000人、年商6000億、1部上場、それがどうしました!
二階堂千鶴
二階堂精肉店には、そんなものとは比較できない、 世界に通用する技術力がありますわ!
二階堂千鶴
そして、それを培ってきた家族、 最高の社員たち、そして支えてくれた商店街の皆さん。
二階堂千鶴
その宝を、黒井フーズなんぞに渡してたまるものですか!!
(台詞数: 50)