37000小隊 #7
BGM
恋花
脚本家
ちゃん@春の日
投稿日時
2016-01-22 15:25:48

脚本家コメント
選択肢
1.無言で頷く
2.無言で首を横に振る
前回の話のコメ返出来なくてすみません・・・する機会を逃していました><

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北沢志保
「シャル少尉の活躍、私の耳にまで入ってきますよ!」
北沢志保
「シャル少尉のお世話を任されているだけあって、私としても誇らしいです」
北沢志保
綺麗に畳まれた衣類を仕舞いながら、シホは誇らしげに、無邪気な笑みを浮かべる。
北沢志保
禍々しい戦火に巻き込まれ、家族を奪われ、理不尽にも孤児となった少女。
北沢志保
そんな彼女から漏れる微笑みだからこそ、その尊さが際立つ。
北沢志保
でも、もし彼女の人生が、戦争という二文字からは縁のないモノだったら…
北沢志保
一体、どんな人生を送っていたのだろうか、と…
北沢志保
ふと、そのIFを考えてしまう。
北沢志保
「ねぇ、赤目の死神さん」
北沢志保
シャル「!?」
北沢志保
妄想の世界へと、のめり込みかけていた僕を、現実へと引き戻す、彼女の穏やかで鋭い声。
北沢志保
「『赤目の死神』の再来って言われてるらしいじゃないですか」
北沢志保
「もう、私の耳にまで、その異名は届いていますよ」
北沢志保
愛想が良く、微笑みを振り撒いていた、そこにいる彼女はそんな彼女からは程遠く。
北沢志保
無表情で、まるで詰問するかの様に続けた。
北沢志保
「私の父は科学にも、医療にも長けた医者でした」
北沢志保
「黒井戦争時代。ある施設を運営していたんです」
北沢志保
「家族や、周囲の反対を押し切ってでも、身一つで、戦地の近くに乗り込んで…」
北沢志保
「戦争で親を失った身寄りのない子供や怪我人を受け入れていたらしいんです」
北沢志保
「そこで、父は殺されました」
北沢志保
「家族想いで、子煩悩だった父が…そんな事される覚えもないのに!」
北沢志保
「連合記念日に、父は助けた少年兵に無残にも殺されました」
北沢志保
「それが、噂によると『赤目の死神』だったみたいです」
北沢志保
シャル「・・・」
北沢志保
「私は憎いです…」
北沢志保
「『赤目の死神』が憎くてたまりません…」
北沢志保
「だから、少し、複雑なんです」
北沢志保
そう言って、微笑む彼女の表情(かお)は、笑ってなどいなく。
北沢志保
一抹の寂しさと、底知れぬ怒りが入り混じっていた。
北沢志保
「でも、大丈夫です」
北沢志保
「37000小隊の皆さんからも、ミナセ大尉からも話は伺っています」
北沢志保
「仲間想いのシャル少尉が、そんな残忍なことするはずありませんし・・・」
北沢志保
「だから、約束してください!」
北沢志保
「もし、本物の『赤目の死神』が現れたら…」
北沢志保
「私の為に、父の仇を討ってください」
北沢志保
「そして、私の…赤目の英雄になってください!」
北沢志保
「偽物の赤目の死神さん…」
北沢志保
「約束、してくれますか?」
北沢志保
争いは、新たな争いを生む。
北沢志保
火種をかき消しても、またどこかに火種が生まれる。
北沢志保
そして悲劇は、また悲劇を生み。
北沢志保
復讐は、更なる復讐を生む。
北沢志保
それは、やがて呪いとなって・・・
北沢志保
終いには、逃れられない呪縛となる。
北沢志保
負の連鎖に陥った者に待つのは・・・
北沢志保
外すことのできない、憎しみと悲しみの枷と、重い十字架だろう。
北沢志保
だからこそ、そんなモノとはかけ離れた場所に、彼女はいなければならない
北沢志保
いさせてあげなければならない
北沢志保
それが、彼女を守る、唯一の手段なのだから…
北沢志保
だけど、ボクは今、彼女を守る為になんと答えるべきなのだろうか…

(台詞数: 50)