北沢志保
ん………。
北沢志保
ーーー朝。目覚ましの音と共に目覚める。いつも通りの朝
北沢志保
ーーー眠い目をこすり、起き上がろうとした時、ふと違和感を感じた
北沢志保
ーーー起き上がれない
北沢志保
ーーーまるで体に重石が乗っているかのようだ
北沢志保
ーーー体調が悪いのだろうか。そう思った時、視界の端に見慣れたものが映った
矢吹可奈
くか〜……zzz………。
北沢志保
ーーー見慣れたオレンジ色の髪の女の子。可奈が寝息を立てながら、自分に抱きついていた
北沢志保
ーーーなるほど、それなら起き上がれなくて当然だ。と、納得した
北沢志保
ーーーとりあえず可奈を起こさぬよう気をつけながら顔を洗うとしよ………
北沢志保
………ん?
北沢志保
ーーー………可奈?
北沢志保
ーーー状況を整理しよう
北沢志保
ーーーここ、自室。昨晩、1人で寝た。朝、可奈が隣で寝てる。つまり………
北沢志保
きゃああああっ!!?
矢吹可奈
ふにゅっ!?
矢吹可奈
ーーー
矢吹可奈
志保ちゃんハッピーバースデー!ということで………
矢吹可奈
プレゼントは私です!
北沢志保
………。
矢吹可奈
あれれ?こう言えば喜ぶって聞いたんだけどな………?
北沢志保
ーーー誰に聞いたのかは聞かないでおこう
北沢志保
……で、何で私の部屋にいたの?というかどうやって入ってきたの?
矢吹可奈
志保ちゃんのお母さんに事前に連絡して、早朝に入れてもらったんだ〜。
矢吹可奈
志保ちゃんをびっくりさせるには、一番油断してる寝起きがいいって聞いたから!
北沢志保
ーーーこれも誰から聞いたのかは聞かないでおこう
矢吹可奈
それで、どう?びっくりした?
北沢志保
ま、まあ、少しだけ。
北沢志保
ーーー自分でも聞いたことないような悲鳴をあげるくらいには
北沢志保
それで、何しに来たの?驚かせて誕生日を祝うためだけに来たわけじゃないでしょう?
矢吹可奈
え?それだけだよ?
北沢志保
え?
矢吹可奈
事務所で会っておめでと〜では味気ないと思ったから、今回は趣向を変えてみました!
北沢志保
ーーーたったそれだけのために、この子はここまでしたのか
北沢志保
ーーー事前に打ち合わせして、早起きして、よく分からない情報まで仕入れて
北沢志保
ーーー本当に………
北沢志保
………バカな子ね。
矢吹可奈
ええっ!?なんで!?
北沢志保
普通ここまでしないわよ。もう………。
矢吹可奈
むー、志保ちゃんなら感動して涙すると思ってたんだけどな〜。
北沢志保
それはない。
矢吹可奈
わーん!あっさり否定された〜!
北沢志保
当たり前でしょう?
北沢志保
ーーーだって………
矢吹可奈
あっ、まだプレゼント渡してなかったよね?えっとね………
北沢志保
さっき「プレゼントは私です」って言ってなかった?
矢吹可奈
?
北沢志保
ああ、意味も分かってないまま言ったのね。
矢吹可奈
じゃ〜ん!私のお手製ぬいぐるみ!志保ちゃんが持ってるネコのキーホルダーを元に作ったんだ!
北沢志保
ーーー……あなたは私を泣かせるより、私を笑顔にしてくれる人だから
(台詞数: 50)