深緑のパーティ談話
BGM
bitter sweet
脚本家
親衛隊
投稿日時
2016-01-05 20:42:22

脚本家コメント
談話可奈ー?
前作 パーティ
http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/1300000000000031424/seq/410

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矢吹可奈
「志保ちゃん、2番席さんから特製プリンと珈琲のご注文~!」
北沢志保
「了解っ。あ、この抹茶ティラミスとオレンジジュースを6番に持っていって頂戴」
矢吹可奈
「へい、かしこまり〜!」
北沢志保
予想通りに忙しい。
北沢志保
しかし、予想以上に可奈と静香がよく動いてくれている。
北沢志保
これなら上手くやれそうだ。
二階堂千鶴
「よろしいかしら?」
北沢志保
「あ、はい」
北沢志保
珈琲の入ったフラスコを攪拌していると、不意にカウンター席に座る女性に話しかけられた。
二階堂千鶴
「あなたが店主ですの?」
北沢志保
店主……。
北沢志保
「……」
北沢志保
「いえ、今は代理です」
二階堂千鶴
「あら、そうでしたの」
二階堂千鶴
「まあ良いですわ。この珈琲について、少々お話をしたいと思いましてね?」
北沢志保
「……はい」
北沢志保
努めて冷静に返す。
北沢志保
口に合わなかったのだろうか。
北沢志保
よく見ればこの人、いかにもセレブっぽい風貌と喋り方をしている。
北沢志保
もしかすると、その手の百戦錬磨なのかもしれない。
二階堂千鶴
「この珈琲、とても」
二階堂千鶴
「……良い味ですのね」
二階堂千鶴
「まるでフルーツのような甘さ。それでいて余韻はあっさりしていて……」
二階堂千鶴
「わたくし、気に入りましたわ!」
北沢志保
「あ、ありがとう……ございます」
北沢志保
杞憂だった。杞憂で良かった。
二階堂千鶴
「……」
北沢志保
「もしかして、お店をやられていたりするんでか?」
二階堂千鶴
「あら、そう見えますの?」
北沢志保
「何となく……手元を気にしている様子でしたので」
二階堂千鶴
「ご推察の通り」
二階堂千鶴
「少し前に本格的な真似事をね、していましたの」
二階堂千鶴
「短い間でしたけれど、その時に店主を務めさせていただきましたのよ?」
北沢志保
「そうだったんですか」
二階堂千鶴
「まあ、従業員の子たちは転んでお客様に珈琲を投げ飛ばすわ、」
二階堂千鶴
「カップに注がせてみれば溢れさせるわで、てんやわんやでしたけれども……」
北沢志保
「……大変だったんですね」
二階堂千鶴
「ええ! それはもう、本っ当に手を焼きましたわ!」
二階堂千鶴
「ですが、後悔などはありませんわ。むしろ、またやりたいと思える程……」
二階堂千鶴
「お客様から頂く『おいしかった』の言葉は、他の何にも代えがたいものでしたわ」
二階堂千鶴
「挫けても、不思議とまた頑張ろうって気持ちになれるんですのよ?」
北沢志保
「……ええ、わかります」
北沢志保
「私も今、同じ気持ちですから」
二階堂千鶴
「ふふ」
北沢志保
そうだ。最初の気持ちは、今でもキラキラと輝き続けている。
北沢志保
深緑の喫茶店。それは私にとって……
矢吹可奈
「志保ちゃーん、珈琲まだかなー」
矢吹可奈
「あ! まだ可奈~♪」
北沢志保
「あ……」
二階堂千鶴
「まあ、まだまだですわね」

(台詞数: 50)