北沢志保
「プロデューサーさんなんて大嫌いです!」
北沢志保
意見の食い違いこそあったものの…
北沢志保
帰り際、Pさんにそう言い放ってしまった
北沢志保
まるで頭の中に湯気が侵入したみたいにモヤモヤする
北沢志保
大嫌いという言葉が頭の中で反響したりして…
北沢志保
思ってもない事を言ってしまった罪悪感なのかな…
北沢志保
きっと、私と同じ年くらいの女の子が父に反抗する時、こんな気持ちなのかな?
北沢志保
どんな気持ちなのかな?
北沢志保
私には知るすべもない
北沢志保
チャップン…
北沢志保
Pさんの事を考えて火照った顔を鎮めるように…
北沢志保
誤魔化す様に、湯船に顔を沈めてみる
北沢志保
私はただ、出来る様になるまで、ダンスの居残り練習を続けていただけ
北沢志保
一人、また一人とスタジオを後にする中
北沢志保
私は独り、ずっと踊り続けた
北沢志保
少しでも早く…
北沢志保
少しでも多く…
北沢志保
出来る子達に一歩
北沢志保
一歩でいいから近付きたくて…
北沢志保
横に並びたくて…
北沢志保
負けたくなくて…
北沢志保
私はPさんに声を掛けられるまで、時間も忘れて練習を続けていた
北沢志保
P「志保、お疲れさま。ボカリ飲むか?」
北沢志保
「あの、ありがとうございます」
北沢志保
Pさんの手から差し出されたボカリは、冷たいけど、温かくて…
北沢志保
P「志保、今日はもう遅いし、帰った方がいいんじゃないか?」
北沢志保
「いえ、ダメなんです…出来る様になるまでやらないと…」
北沢志保
P「そうか、でもそれはさせられない」
北沢志保
P「明日もあるんだし、今日はもう帰ってゆっくり休んでくれ」
北沢志保
「それじゃあダメなんです!」
北沢志保
「皆と同じように踊れないと…ダメなんです!」
北沢志保
P「ん~、そうだなぁ…」
北沢志保
P「志保は皆同じようにじゃなくて、皆で踊るじゃダメなのか?」
北沢志保
「どういう意味ですか?」
北沢志保
P「人にはそれぞれ出来る事と、出来ない事がある」
北沢志保
P「それは765Pの皆だって同じだ、だからこそ、お互いに助け合って」
北沢志保
P「出来ることはそれが出来ない子の為に志保がカバーすればいい」
北沢志保
P「その代わり、志保が出来ない事はそれが出来る子にカバーしてもらえばいい」
北沢志保
P「そうやって皆で踊るんじゃダメか?」
北沢志保
「踊りて勝たなくちゃ意味がないんです!負けたくないんです!」
北沢志保
P「全てで勝たなくちゃダメなのか?」
北沢志保
「そ、それは…」
北沢志保
P「勝ち負けなんて関係ない、それに、志保は誰にも負けないもんを持ってるよ」
北沢志保
P「志保の頑張り屋なところ、それは誰にも負けてないよ」
北沢志保
「し、知りません////」
北沢志保
「プロデューサーさんなんて大嫌いです!」
北沢志保
あの時、ドキッとした…
北沢志保
でも、咄嗟に零してしまった逆の言葉
北沢志保
だけど…本当は…
北沢志保
私はPさんが大好きです!
(台詞数: 50)