真壁瑞希
カタカタカタカタ…
真壁瑞希
ラボに響き渡る無機質なタイピングの音
真壁瑞希
あれから、シャルロッテ・ラビット少尉に関する事を調べ始めたが…
真壁瑞希
彼に関する情報は士官学校入隊以後の物しか見つける事ができなかった。
真壁瑞希
士官学校在籍中の彼の成績は実に優秀
真壁瑞希
実戦においての彼の活躍ぶりを考慮すれば、それは当然の結果に思える。
真壁瑞希
しかし、私の脳内を占める彼への疑問、不信を払しょくするには至らなかった。
真壁瑞希
そして、その疑問は、私を新たなる仮定へと導きだそうとしていた。
真壁瑞希
仮にシャルロッテ・ラビットは水瀬財閥連合国に創り出された殺戮兵器だとする…
真壁瑞希
しかし、それでは水瀬さん達を戦わせない様に戦っていた事を説明するには不十分になる。
真壁瑞希
だが、あながち間違ってもいない…?
真壁瑞希
「彼の名…シャルロッテ・ラビットは…偽名?」
真壁瑞希
そうだとしたら…彼には本当の名前があるはず
真壁瑞希
「それを見つけられれば…」
真壁瑞希
カタカタカタカタ…
真壁瑞希
「きっと、彼の出自記録に…何かヒントが…」
真壁瑞希
カタカタカタカタ・・・
真壁瑞希
私が求めている答えは恐らくシンプルなはず
真壁瑞希
シンプル…
真壁瑞希
考えすぎて、単純な何かを見落として…
真壁瑞希
「あっ」
真壁瑞希
そうです、生年月日です!
真壁瑞希
カタカタカタカタ・・・
真壁瑞希
生年月日と、連合側が所持する戦争孤児リストを照合すれば…
北沢志保
コンコンッ
真壁瑞希
だ、誰?
真壁瑞希
「どなたですか?」
北沢志保
「すみません、私です、シホ・キタザワです」
北沢志保
「まだ、起きて仕事をしているようでしたので、温かい飲み物をと思って」
真壁瑞希
「なるほど、ありがとうございます」
真壁瑞希
「入っていいですよ」
北沢志保
「失礼します」
北沢志保
「もう、時間も遅いのであまり無理はしないでくださいね」
真壁瑞希
「はい、ほどほどにしておきます。ホットココアありがとうございます」
北沢志保
「いえいえ、こんなことしか私にはできませんから」
北沢志保
「調べもの…ですか?」
真壁瑞希
「はい」
北沢志保
「そうですか、私に何か力になれることは…?」
真壁瑞希
「ないです」
北沢志保
「…」
真壁瑞希
「すみません、貴方を巻き込む訳にはいかないですから…」
真壁瑞希
「キタザワさんを巻き込んでしまったら、私が水瀬さんにどやされます」
真壁瑞希
「それに、私の師であり、貴方の父である、キタザワ先生に会わせる顔が…」
北沢志保
「そうですか…」
真壁瑞希
「なので、キタザワさんの気持ちだけ受け取っておきますね」
北沢志保
「はい!」
真壁瑞希
「そういえば、もうすぐ連合記念日ですね…」
北沢志保
「そうですね…」
北沢志保
「私の父が…」
北沢志保
「私の父が…殺された日…」
(台詞数: 50)