北沢志保
我が家には餅つきを楽しみにしている駄神というべきお稲荷さまがいます。
矢吹可奈
志保ちゃん、杵と臼の準備はOKだよ〜。
北沢志保
こっちももうすぐもち米が蒸し上がるわ。
矢吹可奈
えへへ、楽しみだな〜。
北沢志保
そうね。2人っきりなのは残念だけど。
矢吹可奈
結局ご両親帰ってこれないんだね…
北沢志保
忙しいみたいね。こまめにメールでやりとりしてるから別に寂しくないけど。
矢吹可奈
せっかく一家4人で新年を迎えられると思ったのに…
北沢志保
一家3人と家畜1匹ね。
矢吹可奈
あれ?ペットですらない…いつの間に格下げされたんだろ…
北沢志保
それよりそろそろいい感じよ。
矢吹可奈
お、いよいよだね。もち米を臼に移して、と。
北沢志保
じゃあ最初は私が杵でつくわね。
矢吹可奈
なら私はお餅をひっくり返すね。
北沢志保
ねぇ、お稲荷さま。「かちかち山」で狸がお婆さんを杵で打ち殺して婆さん汁にする話知ってる?
矢吹可奈
知ってるよ。…最近はそういう残酷な描写が無いのも多いみたいだけどね。
矢吹可奈
でも何で今その話を?
北沢志保
さ、餅つきを始めましょうか。(杵を構える)
矢吹可奈
ちょっと!杵が臼じゃなくて私の頭を狙ってる気がするんだけど⁉︎
北沢志保
木のせいよ。
矢吹可奈
漢字が違うよ!そりゃ杵は木で出来てるけど。
北沢志保
さあ、さっさと殺りましょうか。
矢吹可奈
志保ちゃん⁉︎ やるのは餅つきなんだよね?
北沢志保
それはそうよ。
矢吹可奈
ほっ…それを聞いて安心したよ。
北沢志保
でも不慮の事故はいつ起こるか分からないわよね。
矢吹可奈
え…
北沢志保
ま、そうそう無いわよ。
矢吹可奈
だよね〜。
北沢志保
そのそうそうが今起こるかもしれないけどね。
矢吹可奈
え…
北沢志保
冗談よ。さ、早くしないともち米が冷めちゃうわ。
矢吹可奈
はーい。
北沢志保
(餅つき終了)さて、食べましょうか。
矢吹可奈
待ってました!
北沢志保
きな粉餅、あんこ餅に大根おろしと磯辺餅。シンプルに砂糖を付けるだけのもいいわね。
矢吹可奈
美味しそー! 何個でも食べれそうだよ。
北沢志保
あら、そうなの?沢山あるから幾らでも食べていいわよ。
矢吹可奈
わーい!パクパク…美味しー!
北沢志保
もっと食べていいのよ。
矢吹可奈
モグモグ…口一杯に頬張ってるよ〜。
北沢志保
まだまだ足りないわよ。ほらもっと食べなさい。(口に押し込む)
矢吹可奈
ムグムグ…も、もう一杯…
北沢志保
ほらほら、まだ入るでしょ。(更に口に押し込む)
矢吹可奈
ムググ…も、もう…無理…
北沢志保
まだまだ、窒息するくらい頰張りなさい。
矢吹可奈
無理だよ〜。本当に窒息死しちゃうよ〜。
北沢志保
むしろ…なれ?
矢吹可奈
うわ〜ん、志保ちゃんの馬鹿ーーー!
(台詞数: 49)