天海春香
腫瘍だって。頭。
如月千早
そう……。お医者様は、なんて?
天海春香
うん…。手術は難しいみたい。もう末期らしくて…。
如月千早
春香…。もしかして、あなた……。
天海春香
うん…。一ヶ月後か二ヶ月後か…。もしかしたら明日、今すぐかもわからないんだって。
如月千早
ご両親は、なんて……?
天海春香
2人共、私に任せるって。何でもするから、あなたの好きなようにしなさいって、言ってくれたよ。
如月千早
春香…。あなたは……。あなたは、どうしたいの?
天海春香
私はね………
天海春香
私はね………私は………
天海春香
私はね………私は……まだ、死にたくないよ………っ!!
如月千早
春香っ………はるかぁ………っ!!
天海春香
千早ちゃん……っ!私、まだ死にたくない…!もっと千早ちゃんと一緒にいたいよ…っ!
如月千早
嫌…!嫌よ春香…!こんなの、こんなのって…!春香…っ!
天海春香
千早ちゃん……!千早ちゃん……!
如月千早
春香………!死なないでよ……春香……っ!
天海春香
〜〜10分後〜〜
天海春香
ご、ごめんね千早ちゃん。千早ちゃんの顔見たら、やっぱり耐えられなかった…。
如月千早
ううん、いいのよ。気にしないで…。私、こんなに泣いたのって久しぶり。
天海春香
へへ。確かに。千早ちゃんが泣いてるのって、あんまり見た事ないかも!
如月千早
私は春香が泣いてる所なら、嫌という程見たわよ?ライブの時、あなた殆ど泣いてるもの。
天海春香
あれぇ?そうかなぁ?……あっ!千早ちゃんだってほら、「約束」の時、ずーっと泣いてた。
如月千早
そうだったわね…。あの時は本当に……ありがとう。あなたにはずっと感謝してたのよ。
天海春香
みーんな心配してたんだから!あの時は事務所の中ずっとその話ばっかりで……
如月千早
そう…。でもね、私はあなたに一番感謝してるの。照れ臭くて今までちゃんと言えなかったけど…
如月千早
今ならこうやって目を見てちゃんとお礼が言える。春香、本当に、本当にありがとう。
如月千早
今までこんな面倒な私に付き合ってくれてありがとう。私の事、諦めないでくれてありがとう。
如月千早
話相手になってくれてありがとう。いつも私がレッスン終わるの待っててくれてありがとう。
如月千早
美味しいお菓子、いつもありがとう。休みの日電話してくれてありがとう。
如月千早
私と…っ…友達になってくれて…っ…ありがとう……っ!だから、だからぁ…これからも…っ!
天海春香
千早ちゃん……ごめん、ごめんね……っ!ごめんね……っ!
如月千早
ごめんなさい…。私また…。今日は本当に、泣いてばっかり…。
天海春香
………よし。決めた。決めたっ!!
如月千早
きゃっ…!ビックリした…。な、何よ急に大きな声出して!
天海春香
私、まだまだやりたい事沢山あるんだ。だから…千早ちゃん!付き合って!
如月千早
……は?どういうこと…?
天海春香
だーかーらーっ!私、やりたい事ぜーんぶやってから死ぬ!だから、私が死ぬまで付き合って!
如月千早
そんなの嫌よ!付き合えるわけないでしょ。
天海春香
ええっ!?そ、そんな!
如月千早
私がやりたい事にだって、あなたに付き合ってもらわなきゃ不公平でしょ!
天海春香
へへっ!覚悟してよ千早ちゃん!疲れてぶっ倒れるまで引きずり回しちゃうから!
如月千早
上等よ!私だってあなたが死にかけたって、死ぬまで連れ回してやるから!
天海春香
へへっ!そうこなくっちゃ!
如月千早
こうなったら善は急げよ。荷物まとめて!
天海春香
あ、でも学校とかは仕事はどうする?
如月千早
そんなの休むに決まってるでしょ!音無さんに適当に何とかしてもらいましょう。
天海春香
あ………。最期に、お母さんとお父さんと、話してきてもいい…?今丁度2人共いるから。
如月千早
ええ……。行ってきて。私は一度帰るから…。
天海春香
千早ちゃんも後で2人に会って欲しいな。私にはこんな素敵な友達がいるんだよって、教えたいの。
如月千早
ええ…。もちろんよ。
(台詞数: 50)