深緑の今昔引継
BGM
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脚本家
親衛隊
投稿日時
2015-11-28 16:20:38

脚本家コメント
前話からも引き継ぐのです。
前作 昔話
http://imas.greeーapps.net/app/index.php/short_story/info/uid/1300000000000031424/seq/407
『』台詞はそれぞれ
「思い出」「来訪者」「珈琲係」「鼓動」「裏言葉」で使用したものです。

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北沢志保
「お店を開く。」
北沢志保
子供の戯言と一蹴すれば簡単に済むだろう。
北沢志保
しかし、現代表は一考し、暫し逡巡の後――ある決断を下したそうだ。
北沢志保
結果は良し。
北沢志保
なんと奇跡的に「条件付き」で、お店の解体は免れたのであった。
北沢志保
やはり旦那様は水瀬の親玉と言えど1人の親。娘は可愛いのだろう。
北沢志保
新堂さんは家族の絆や結束感をひしひしと感じ、ほろり涙ぐんだらしい。
北沢志保
涙を拭おうとハンカチを取り出そうとしたその時、現代表は条件を告げた。
北沢志保
「1度だけでいい。あの場所が、客で賑わう様を見せてみなさい。」
北沢志保
「但し、お前が中学生の間までに、だ。」
北沢志保
……。
北沢志保
ハンカチは使わなかったそうだ。
北沢志保
――――――
矢吹可奈
「ここを……」
北沢志保
「お客で……賑わせる……?」
北沢志保
……なんて無理難題を吹っかけるんだろうか。
北沢志保
大体、私ですらネコさんがいなければ辿り着けなかったのに。
北沢志保
けれど――
矢吹可奈
「ね、店長さんって私たちより、歳上……だよね?」
北沢志保
「あまり変わらないとは思うけど、恐らく……」
矢吹可奈
「ど、どうするの……? そうだとしたら期間、あまりないよ……」
北沢志保
「どうするって……」
北沢志保
「……」
北沢志保
まったく……あの人は本当に行き当たりばったり。
北沢志保
予兆――というか素振りすら見せずに、いきなり事を起こす。
北沢志保
あの時だってそうだ。
北沢志保
『……さようなら。』
北沢志保
『このお店は、もう私に必要ない。』
北沢志保
『興醒めちゃった。どんなに努力しても上手くいかないんだもの。』
北沢志保
『このお店……あんたにあげるから。』
北沢志保
私に何の相談もせず独りで抱え込んで……挙句、こうしてお店まで放棄して……。
北沢志保
『カウンターの下に隠れてたのよ。いつも同じ挨拶じゃつまらないじゃない?』
北沢志保
あの時だって、本当は……泣いていたんでしょう?
北沢志保
『……思い入れがあるのよ。』
北沢志保
本当は……苦しかったんでしょう?
北沢志保
『私の瞳はいつだって未来を見通しているの。』
北沢志保
『それでいて、その内側では大きな野望の火がメラメラと燃えているのよ。』
北沢志保
『そう。今は雌伏の時ってやつね。』
北沢志保
強がったりして……まったく。
北沢志保
「……どうしようもないわね。本当に」
矢吹可奈
「そんな……」
北沢志保
「……すみません新堂さん、彼女への言伝をお願いしても……宜しいですよね?」
北沢志保
新堂さんは「承ります」と真剣な顔付きで畏まった。
北沢志保
「では――」
北沢志保
「伊織さん、中途半端にお店を放って出て行った事、私は許す気はありません」
矢吹可奈
「……」
北沢志保
「ですから、これからはあなたの言ったように私が責任を持ってお店を預かります」
矢吹可奈
「……!」
北沢志保
「あなたの請け負った業務は――私が引き継ぎます」
北沢志保
「あなたの想いは、潰えさせません」

(台詞数: 50)