北沢志保
ーーーある日、私は未来が見えるようになった
北沢志保
ーーーなぜかは分からない。なぜ私なのかも………
北沢志保
ーーーただ1つ、分かったこと。それは………
北沢志保
ーーーある日を境に、私と可奈以外の全ての人が消えるということ
北沢志保
ーーー未来は、些細なきっかけで変わっていく
北沢志保
ーーーあの時誰かがある行動をしなかったら、逆に行動をしたら……
北沢志保
ーーーどんなに小さなことでも、それは未来に影響を及ぼす
北沢志保
ーーーあらゆる可能性の未来を見るうちに、私はもうひとつの結末を見た
北沢志保
ーーーそれは、私が消えることで全ての人が生きながらえるという未来。
北沢志保
ーーー意味が分からなかった。どうして私がいるいないで未来が大きく変わるのか
北沢志保
ーーーだが、確かにそういう未来が存在した
北沢志保
ーーー私と可奈だけがいる未来、私以外のみんながいる未来
北沢志保
ーーーあらゆる未来の分岐は、最終的に全てこの2つに終着している
北沢志保
ーーーどっちを取るかは、私が選ぶことになる
北沢志保
私が、選びたいのは………。
矢吹可奈
………志保ちゃん。
北沢志保
ーーー可奈の幻覚が、私に手を差し出す
矢吹可奈
………もう私達以外、誰もいないよ。
矢吹可奈
生きよう、みんなの分まで。2人で………。
北沢志保
私は………
北沢志保
私は………その未来を、選べない。
北沢志保
だって……私達2人だけって、そんなの………悲しい、じゃない………。
北沢志保
ーーー目から涙が溢れ出す
北沢志保
ずっとあなたと一緒にいられる。それは何よりも嬉しい。だけどやっぱり……悲しい。
北沢志保
それに……私にとって大切な人は、あなただけじゃない。
北沢志保
あなたと……大切な人が生きていられるなら、私は………
北沢志保
それを………選ぶわ………。
北沢志保
ーーーそして私は………瞳を閉じた
北沢志保
ーーー
矢吹可奈
ゔっ………えぐっ………。
北沢志保
………いつまで泣いてるのよ。
矢吹可奈
だっでぇ、じぼぢゃんがぎえぢゃゔっで………
北沢志保
何言ってるのか分からないわよ。鼻水垂れてるし………はい、チーン。
矢吹可奈
あぅ………ありがとう志保ちゃん。
北沢志保
そもそもあれは演技よ?私に未来が見えるわけないし、あんな未来になるわけがないでしょう?
矢吹可奈
わ、分かんないよ?未来は些細なことで変わるって………!
北沢志保
ないわよ。それに私はあなたとだけの未来を選………
矢吹可奈
ふぇ?
北沢志保
………いえ、何でもないわ。心配しなくても、私は消えたりしないから。
北沢志保
特に今の状態だと、可奈が心配で消えることなんて絶対無理ね。
矢吹可奈
………ってことは、今のままならずっと一緒にいてくれるってこと?
北沢志保
………どうかしらね。
矢吹可奈
え〜、一緒にいてよ〜志保ちゃ〜ん!
矢吹可奈
あ、未来ちゃんから聞いたんだけど、志保ちゃんツンデレだから冷たい言葉は逆の意味だって………
北沢志保
………っ!し、知らない!
(台詞数: 45)