北沢志保
(それはある日の事…。一つのゴシップ記事が話題を呼んだ…。)
北沢志保
(内容は可奈へのバッシング…。可奈が未熟である事を論え、必要以上に非難した記事だった…。)
矢吹可奈
………何にも聞かないんだ…?プロデューサーさん達と何話してたか…。
北沢志保
……別に…。大体想像つくもの…。
矢吹可奈
そっか…。うん…社長もプロデューサーさんもね、気にしなくていいって言ってくれたよ…。
矢吹可奈
…でも…本当にいいのかな…?このままみんなに迷惑かけるくらいなら、アイドル…辞めた方が…。
北沢志保
……逃げるの?
矢吹可奈
……………………。
北沢志保
それが可奈の本心なら…。心から思ってる事なら何も言わない…。でも、そうじゃないでしょう…?
矢吹可奈
……それは…。
北沢志保
一度躓いたからって、もう諦めるの?貴女の夢はその程度の物だったの…?
北沢志保
私なら諦めない…。例え無様でも、惨めでも、必ず立ち上がって乗り越えてみせる!!
矢吹可奈
…志保ちゃんは…強いね…。
北沢志保
…強くなんてない…。ただ、負けず嫌いなだけよ…。
北沢志保
馬鹿にされてもいい…。後ろ指さされたって構わない…。でも、それに負けるのは嫌!!
北沢志保
だから、努力するの。誰も馬鹿に出来ない様に。誰も後ろ指なんてさせない様に!!
北沢志保
でも…私がしてるのは、ただのやせ我慢…。こんなのは強さじゃない…。
北沢志保
自分の弱さを受け入れる強さがあれば、こんなやせ我慢なんて必要無いもの…。
矢吹可奈
志保ちゃん…。
北沢志保
…でもね。最近は私にも解ってきた気がするの…。本当の強さって物が…。
北沢志保
貴女が教えてくれたのよ…?可奈…。
矢吹可奈
私が…?
北沢志保
辛い時…。苦しい時…。支えてくれる仲間が居る…。それこそが本当の強さなんじゃないかって…。
北沢志保
…そう、思う時があるの…。
北沢志保
それは、今までの私の考えの全てを否定する事だけど…。
北沢志保
でも、不思議と嫌な感じはしないのよ…。きっと私にとっては貴女がそうなのかも…って。
北沢志保
…なんて、柄にも無い事を言ったわね…。みんなには秘密よ?絶対笑われるから。
矢吹可奈
…笑わないよ…。私は絶対に笑わない…!!
北沢志保
……そう…。
矢吹可奈
ねえ、志保ちゃん…。志保ちゃんはどうして私と友達になってくれたの…?
北沢志保
え…?何よ、いきなり…。
矢吹可奈
私…歌も下手だし、ダンスも上手くないし…。私なんかじゃ志保ちゃんと釣り合わないかなって…。
北沢志保
そんな事思ってたの…?私が可奈と友達になったのは…そうね…。可奈が可奈だからよ。
矢吹可奈
???…どゆこと?
北沢志保
なら、逆に聞くけど。何で可奈は私と友達になったの?私も出来た人間では無いと思うけど…?
矢吹可奈
そんな事無いよ!!志保ちゃんは優しいし、歌も上手だし、可愛いし!!
北沢志保
ちょ…ちょっと待って…!!いきなり何を言ってるのよ…。
矢吹可奈
あ、でも怒ると怖いよね。すっごく怖い!!
北沢志保
そ、そう…。そんなに怖いんだ…。
北沢志保
と、とにかく!!じゃあ、聞くけど…可奈は私が優しいから友達になったの?
北沢志保
歌が上手いから友達になったの…?かわ……見た目で友達になったの…?違うんじゃない?
矢吹可奈
それは…うん、違う…!!私も志保ちゃんだから友達になれたんだと思う!!
北沢志保
なら、それで十分じゃない…?友達になるのに大義名分なんて必要無いでしょう?
矢吹可奈
うん!!えへへ…ありがとね、志保ちゃん…。ねえ…今日、一緒に帰ってもいい?
北沢志保
ええ、もちろんよ。
矢吹可奈
じゃあ…手を繋いで帰っても、いいかな…?
北沢志保
え…?…しょ…しょうがないわね…。今回だけよ…?
矢吹可奈
やった〜っ!!あ、じゃあ一緒に歌って帰ーーー
北沢志保
それは嫌。
矢吹可奈
え〜〜っ…。
(台詞数: 50)