北沢志保
我が家には花火に興奮する駄神というべきお稲荷さまがいます。
矢吹可奈
志保ちゃん!花火が綺麗だよ〜。
北沢志保
はいはい。興奮しないの。
矢吹可奈
金魚さんも花火が綺麗って思ってるかな?
北沢志保
この金魚にそんな知能ないわよ。
矢吹可奈
志保ちゃん、夢が無いな〜。
北沢志保
まあ、今は無理でも成長したらいろいろ出来るようになるんじゃないかしら?
矢吹可奈
へ?
北沢志保
段々と顔が人間みたいになって来たり…
矢吹可奈
何それ、怖いよ!人面魚⁉︎
北沢志保
おっさんの声で喋ったり、足が生えて来たり…
矢吹可奈
ってそれシー◯ンだよね⁉︎これ普通の金魚だから‼︎
北沢志保
冗談よ。まあ、人面魚は昔流行ったし見てみたい気もするけど。
矢吹可奈
人面魚なら池とか探せば見つかる時もあるけどね。
北沢志保
そんな事より花火はいいの?
矢吹可奈
あ、そうだね。綺麗だし、いいよね、花火。
北沢志保
あら、お稲荷さま花火したいの?
矢吹可奈
うん、夏と言ったら花火でしょ。
北沢志保
ふふふ。
矢吹可奈
…何、志保ちゃん?なんか企んでる?
北沢志保
こんなこともあろうかと花火を用意しておいたのよ。
矢吹可奈
わお!志保ちゃん凄〜い!
北沢志保
じゃあ、早速花火がある場所に行ってみる?
矢吹可奈
ここじゃ人がいて危ないからね。行こう行こう♪
北沢志保
……というわけで着いたわよ。
矢吹可奈
花火♪花火♪
北沢志保
はい、花火。
矢吹可奈
え…なんか私が知ってるのと違うんだけど?
北沢志保
市販のものじゃつまらないでしょ。これはオーダーメイド品よ。
矢吹可奈
おお!凄い!ただの筒に見えるけど。
北沢志保
さ、これを抱えて。
矢吹可奈
あれ、地面に置いてするんじゃないの?
北沢志保
これは人が抱えてする花火よ。
矢吹可奈
へー。これでいいのかな?
北沢志保
しっかり踏ん張るのよ。着火するから。
矢吹可奈
ねえ、志保ちゃん。これなんて花火なの?
北沢志保
愛知県は豊橋市が発祥の手筒花火よ。
矢吹可奈
…え…手筒花火⁉︎ってあの⁉︎
北沢志保
…着火したからしっかりね〜。
矢吹可奈
もうあんな距離まで離れてる⁉︎(シューーー!)
矢吹可奈
熱い!熱いよ!吹き上げ式の花火だから火の粉が思いっきり降ってくる!
北沢志保
…お稲荷さまーー!花火とっても綺麗よーー!
矢吹可奈
こっちはそれどころじゃないよ‼︎あ…毛に火が…
北沢志保
あら…なにやら香ばしい匂いが…
矢吹可奈
(シュー)あ、弱まってきた…そろそろ終わりだね…(ドカン!)
北沢志保
あ、最後に抜けたわね。爆発したみたいに見えるのよね。
矢吹可奈
うう〜、貴重な体験したけど全身が火傷した感じだよ〜。
北沢志保
はいはい、火傷の薬を塗ってあげるわよ。
矢吹可奈
本当?助かるよ〜。ていうか志保ちゃんのせいだけどね。
北沢志保
「かちかち山」で兎が狸に塗ったとっておきの薬よ。ふふふ。
(台詞数: 50)