北沢志保
初めて会ったときから、いい印象は持てなかった。
北沢志保
好きという割に、歌は上手くない。
北沢志保
ダンスも苦手なのに、レッスンはみんなと同じ量。
北沢志保
『夢』を語る前に、まずは一人で努力をすべき……
北沢志保
…ずっと思っていた。
北沢志保
だから、彼女にはきつく接することも多くなった。
北沢志保
そんな関係の私たちだったはずなのに……
北沢志保
いつからだろうか───
北沢志保
『あったかい』から『暑い』、『すずしくなった』…『寒い』
北沢志保
季節が巡っていく、その間に…
北沢志保
ずっと目の敵にしていた事務所の同僚は……
矢吹可奈
『志保ちゃん、一緒にレッスンいこ?』
北沢志保
『ええ、可奈…』
北沢志保
隣を歩く、友人になっていた。
矢吹可奈
『志保ちゃんのアドバイスで音程取れるようになったよ!』
矢吹可奈
『ホントにありがとう、志保ちゃん♪』
北沢志保
なんとなく…ほっておけない友人につい手を貸してしまう。
矢吹可奈
『志保ちゃんありがとう!』
矢吹可奈
『…ありがとう』
北沢志保
積み重なる“ありがとう”はくすぐったくて…
北沢志保
誰にも見せてこなかった、見せられなかった……
北沢志保
私の、本当の顔を…見せてしまう。
北沢志保
この子はどんな私も受け止めてくれる、そう思うから。
矢吹可奈
「ねえ、志保ちゃん。ありがとう」
矢吹可奈
「私と仲良くしてくれて、いつも助けてくれて…」
矢吹可奈
「…ありがとう!」
北沢志保
「…………フフッ」
北沢志保
私こそ…
北沢志保
私こそ…私こそ
北沢志保
私こそ…私こそ、ありがとう
矢吹可奈
「志保ちゃん、どうしたの?」
北沢志保
「な、なんでもないわ…」
矢吹可奈
「ふーん、変な志保ちゃん♪」
北沢志保
少しずつ変わっていく日常。
北沢志保
新しいことを始めたり、成長していくこと…
北沢志保
少し寂しい気がするけど……
北沢志保
この子からの『ありがとう』は……
北沢志保
やっぱり、くすぐったい。
(台詞数: 38)