北沢志保
3……2……1……
北沢志保
0。可奈、お誕生日おめでとう。
矢吹可奈
えへへ、ありがとう、志保ちゃん!可奈は〜幸せハッピ〜♪
北沢志保
しーっ。深夜に歌い出すのはやめなさい。
矢吹可奈
あ、そうだね。つい………。
矢吹可奈
でも、びっくりしたよ〜。事務所から帰る時に、急に「今晩泊めて」だなんて。
北沢志保
ごめんなさい。どうしてもそうしたくて。
矢吹可奈
ううん、志保ちゃんからそういうことを言ってくれて嬉しかったよ。
矢吹可奈
それに、1番におめでとう、て言ってくれたし………。
北沢志保
可奈………。
北沢志保
………今だから言うけどね、
矢吹可奈
うん。
北沢志保
あの時、初めてあなたと会った時………私は一目であなたとは関わらないでおこうと思った。
矢吹可奈
ええっ!?
北沢志保
音痴だし、泣き虫だし、考えが甘いし………
矢吹可奈
あうあう………。
北沢志保
………何より、幼い私を見ているようだったから。
矢吹可奈
………え?
北沢志保
疑うことを知らない、純粋な心。誰とでも分け隔てなく接する優しさ。
北沢志保
それは全部、私が捨てて、失ったものだった。
北沢志保
あの時の私は、それが不要なものだと思ったから。
矢吹可奈
同じ歳だけど………志保ちゃんは、私より大人なんだね。
北沢志保
………それは違うわ。
北沢志保
今だから分かるの。あの時の私にあったのは………
北沢志保
失くせないものを失くした弱さと、何も信じられない脆さだけだった。
北沢志保
頼れるのは自分だけと思いながら、その自分さえも信じることが出来ず、すり減っていった。
北沢志保
でもあなたは、どんなに傷ついても諦ずに何度でも立ち上がり、走り続けた。
北沢志保
自分の信じる夢に向かって、ね。
北沢志保
その姿を見て、私は気付いたの。私は間違っていたんだって……
矢吹可奈
志保ちゃん!
北沢志保
可奈………?
矢吹可奈
間違いだなんて、悲しいこと言わないでよ!志保ちゃんは、初めて会った時から優しかったよ?
矢吹可奈
最初はまあ、冷たい時が多かったけど………私、志保ちゃんにいっぱい助けてもらったよ!
矢吹可奈
だから……だから………!
北沢志保
……ありがとう、可奈。あなたのその優しさに私は救われたの。
北沢志保
心配しなくても、私は今も自分を否定しているわけじゃないわ。
矢吹可奈
………本当に?
北沢志保
ええ。本当よ。
北沢志保
………ちょっと話が逸れたわね。
北沢志保
私が言いたかったのは、可奈には感謝しているってこと。
北沢志保
それと………出会えて本当によかったってこと。
矢吹可奈
私も………志保ちゃんと出会えてよかった。
北沢志保
これからも………親友でいてね、可奈。
矢吹可奈
うん!志保ちゃんは私の1番の親友だよ!
北沢志保
……
北沢志保
……ふふっ、さあ、寝ましょうか。明日は朝から事務所に行くんでしょ?
矢吹可奈
うん!………あ、そうだ。
矢吹可奈
今日は、一緒の布団で寝よう?
北沢志保
誕生日だものね、それくらいのワガママはきいてあげる。
矢吹可奈
えへへ〜♪
(台詞数: 50)