北沢志保
すみません。少し時間をいただけますか。
北沢志保
……黙祷が、まだでしたので。
北沢志保
ありがとうございます……では。
北沢志保
………………。
北沢志保
………………。
北沢志保
………………。
北沢志保
…………あの。
北沢志保
少しだけ、お話していきませんか。
北沢志保
……話題、ですか。私に振られてもろくなのは出ませんよ。
北沢志保
でも、そうですね……。
北沢志保
今日は終戦記念日です。
北沢志保
東京大空襲の時、この川にも多くの犠牲者が浮かんでいたと聞きます。
北沢志保
その中には、未だに名前すら記録されていない方もいます。
北沢志保
……すみません、こんな話題で。
北沢志保
でも聞いてほしいんです。
北沢志保
過去は記憶に過ぎません。
北沢志保
未来も想像でしかありません。
北沢志保
それらは共に曖昧で、どちらも今には存在しないものです。
北沢志保
ならば、誰かの記憶に残らなかった人たちが確かに存在していたということ。
北沢志保
それは何が証明するのでしょう。
北沢志保
それとも、それを望む権利すらないのでしょうか。
北沢志保
……私は。
北沢志保
私は記憶します。
北沢志保
歴史が語る国粋主義を。散った桜花を。
北沢志保
失ったものを。……奪ったものを。
北沢志保
すべて記憶します。だから……。
北沢志保
今日ここに居た私を、プロデューサーさんは忘れないでください。
北沢志保
この瞬間のここにとどまって、時が堆積して、埋もれていく私を。
北沢志保
どうか覚えていてください。
北沢志保
1人で記憶するよりは合理的だと思いませんか?
北沢志保
……頼りにしてますよ、プロデューサーさん。
(台詞数: 31)