矢吹可奈
「今年も会いに来てくれたんだね、織姫ちゃん!」
矢吹可奈
「志保ちゃんのほうが・・・いいかな?」
北沢志保
「どっちでもいいわよ・・・」
北沢志保
「可奈」
北沢志保
「やっと・・・」
北沢志保
「やっとまた会えた・・・」
矢吹可奈
「うん、やっとだね!」
矢吹可奈
「毎年~♪毎年~♪嬉しいな~♪」
矢吹可奈
「こ~んな♪わ~たしに♪会いにき~て♪く~れて♪」
北沢志保
「可奈は本当に歌が好きね」
矢吹可奈
「うん、大好き!志保ちゃんのこともだ~いすきだよ♪」
北沢志保
「えへへ・・・嬉しい♪」
北沢志保
「でも、いちいち歌にしなくていいわよ」
矢吹可奈
「わ~、今年も怒られた・・・」
北沢志保
「歌にしなくても・・・」
北沢志保
「可奈の気持ちはちゃんと届いているから」
矢吹可奈
「照れるよ~、調子狂っちゃう・・・」
北沢志保
「うふふ・・・」
矢吹可奈
「もうすっかり七月七日だね」
北沢志保
「そうね」
矢吹可奈
「志保ちゃんはもう短冊にお願い事はした?」
北沢志保
「するわけないじゃない・・・」
北沢志保
「だって、可奈が私のお願い事は叶えてくれるもの・・・」
北沢志保
私は知っている
北沢志保
『短冊』に書かれたお願い事が叶わないことを・・・
北沢志保
それは一年に一度、この『七夕』と呼ばれる日に、可奈が私の『望み』を叶える為に捧げられる供物
北沢志保
『短冊』に込められた『想い』は全て、私のために『犠牲』になる・・・
北沢志保
可奈の持っている絵の具に全ての人の願いの力が集められるのだから・・
北沢志保
「可奈は短冊に、何かお願いしたの?」
矢吹可奈
「うん、勿論したよ♪」
北沢志保
「何をお願いしたの?」
北沢志保
私は毎年同じ質問を可奈にぶつけるけれど、可奈からも毎年同じ答えが返ってくる
矢吹可奈
「ん~・・・内緒!」
矢吹可奈
「短冊に願ったお願い事は誰かに教えちゃったら叶わないんだよ?」
北沢志保
「そっか・・・」
北沢志保
可奈が教えてくれないお願い事でさえも、『犠牲』になることを私は知っている・・・
矢吹可奈
「そろそろ志保ちゃんのお願い事、聞いてもいいかな?」
北沢志保
「私は・・・」
北沢志保
可奈との一日を満喫したい・・・
北沢志保
毎年言ってきた、そんなシンプルな『望み』が喉につっかえて出てこない・・・
北沢志保
静香と瑞希さんの顔が思い浮かぶ・・・
北沢志保
あの二人も私のせいで『犠牲』になった
北沢志保
そして今から全ての人の『願い』が私の『我儘』のせいで『犠牲』になる
北沢志保
そんなの・・・もう嫌だった・・・
北沢志保
「あのね、可奈・・・私達、もう会えないわ」
北沢志保
「だから、最後の私の我儘、聞いて?」
北沢志保
「短冊に書かれたみんなのお願い事、叶えてあげてほしい」
矢吹可奈
「志保ちゃんがそれを望むなら、いいよ」
北沢志保
うん、だから・・・さよなら
矢吹可奈
志保ちゃん、またね______
(台詞数: 50)