北沢志保
暗い空
北沢志保
大地に降り注ぐ雨粒
北沢志保
それが恵みの雨だという人もいれば
北沢志保
そうじゃないという人もいる
北沢志保
見ているだけで自分の気持ちまでも沈んでいきそうな、そんな雨
北沢志保
そういえば、あの日もこんな雨だった
北沢志保
私と同じ夢を追う女の子を一人____
北沢志保
私が追い込んでしまったことを自覚した日
北沢志保
今になってまたあの時の罪悪感が蘇る
北沢志保
自分自身を罰するように傘の柄をぎゅっと握り締めた日
北沢志保
でも、今日はその傘すらもない
北沢志保
「やっぱ、雨は嫌い・・・」
北沢志保
仕方なく、一歩前へ踏み出す
北沢志保
雨空を見上げると雨粒が私の顔に当たる
北沢志保
それは私の中に根付く、罪の意識を流してくれようとしてるみたいで・・・
北沢志保
目を瞑る
北沢志保
すると雨音がよく聞こえてきて・・・
北沢志保
まるで歌を歌っているみたい・・・
北沢志保
可奈もこの雨みたいに、音を楽しんでいるのかな
北沢志保
P「志保?」
北沢志保
「あっ、プロデューサーさん、こんにちは」
北沢志保
P「ど、どうしたんだ?傘もささずに・・・」
北沢志保
「実は・・・傘を持ってくるのを忘れたので・・・」
北沢志保
「でもいいんです、私このまま帰りますから」
北沢志保
P「何言ってんだ、ほら、これつかえ、風邪引くぞ」
北沢志保
プロデューサーさんが、手に持っていた大きな傘をさしてくれました
北沢志保
「でも、私がプロデューサーさんの傘を使ったら、プロデューサーさんが・・・」
北沢志保
P「俺の事は気にするな、だから、ほら」
北沢志保
プロデューサーさんは、私にその傘の柄を握らせて・・・
北沢志保
暖かい・・・
北沢志保
それまで握っていたプロデューサーさんの手の残り熱が私に伝わってくる・・・
北沢志保
P「俺急いでるから、それじゃ、またな」
北沢志保
半ば強引に傘を押し付けると、プロデューサーさんは鞄を傘代わりに走り出す
北沢志保
私から遠ざかっていく
北沢志保
P「あっ、その傘返さなくていいからな～!!」
北沢志保
プロデューサーさんは振り向くと、私に向かって、雨音にかき消されないように叫んでくる
北沢志保
そんなに声を張らなくても、届いてるのに・・・
北沢志保
「あの、ありがとうございま・・・あっ、行っちゃった・・・」
北沢志保
「この傘、大きい・・・」
北沢志保
その傘は女の子が使うような、可愛らしくて、色彩豊かな小さい傘じゃなくて・・・
北沢志保
とても大きくて、地味で、ダサい傘
北沢志保
「お父さんも、こんな傘、使ってたのかな・・・」
北沢志保
ううん・・・私にはわからないけど、でも...私は好きかも
北沢志保
「こんな天気も・・・わるくないわね」
北沢志保
これから、雨の日はこの傘をさしてどこかへ出かけよう
北沢志保
弟を迎えに行く時も、この傘をさしていこう
北沢志保
そう思ったら、なんだか楽しくなってきた・・・
北沢志保
雨足に合わせて、スキップしてみたりして
北沢志保
水たまりで、ステップしてみたりして
北沢志保
～そんな雨季雨期日和(ウキウキデイズ)～
(台詞数: 50)