北沢志保
我が家には勝手に住み着き食っちゃ寝だけの生活を送るニートな駄神というべきお稲荷さまがいます
矢吹可奈
志保ちゃん、酷いよ〜。
北沢志保
なら生活費を入れなさい。
矢吹可奈
ゴメンなさいm(_ _)m
北沢志保
まったくもう…
矢吹可奈
いや、私も働く気はあるんだよ。
矢吹可奈
でも面接したところは全部不採用で…
北沢志保
どこを受けたの?
矢吹可奈
えーと、ファミレスとスーパーの惣菜部門と商店街のお肉屋さんや魚屋さん……
矢吹可奈
どうしてどこも雇ってくれないんだろう?
北沢志保
どうして食べ物ばっかり選ぶのよ。
矢吹可奈
だって美味しそうだもん。
北沢志保
だから不採用なのよ。毛が落ちて異物混入になるじゃない。
矢吹可奈
……そうなのかなぁ……
北沢志保
ところでお稲荷さまが面接したお肉屋さんだけど…
矢吹可奈
うん?
北沢志保
狐肉って扱っていないかしら?
矢吹可奈
いや、普通のお肉屋さんじゃないよね。
矢吹可奈
いや、普通のお肉屋さんじゃないよね。って狐肉⁉︎
北沢志保
あれから調べたら狸鍋に使う狸肉は何日もかけて下処理をして臭いを取るらしいのよ。
北沢志保
なら狐肉も似たようにすれば食べられるかなって。
矢吹可奈
志保ちゃん、まだ狐肉のキツネ鍋諦めてないんだね……
矢吹可奈
でも狐肉が無いなら諦めようよ。
北沢志保
まあ、無いなら無いでいいんだけど。
北沢志保
新鮮な狐肉ならいつでも手に入るしね。
矢吹可奈
あれ、なんか恐ろしい言葉が聞こえたような……
北沢志保
ふふふ、そろそろご飯にしましょうか。
矢吹可奈
わーい、志保ちゃんの作るご飯は美味しいから大好きだよ。
北沢志保
抱きつかないで。暑苦しいし獣臭い。
矢吹可奈
またまたー。ホントは嬉しいくせに。
北沢志保
もしもし?新鮮な狐肉があるのですが買い取って貰えますか?
矢吹可奈
志保ちゃん⁈どこに電話掛けてるの⁉︎
北沢志保
冗談よ。お稲荷さまの肉を売る訳ないじゃない。
矢吹可奈
志保ちゃんはいつも冗談がすぎるよ。
北沢志保
……お稲荷さまは八尾比丘尼って知ってる?
矢吹可奈
確か人魚の肉を食べて不老不死になった尼さんだっけ?
北沢志保
ならお稲荷さまの肉を食べたらどうなるのかしらね。
矢吹可奈
え⁈
北沢志保
そんな貴重な肉をむざむざ売る訳ないじゃない。
矢吹可奈
うぇぇーーーー‼︎
北沢志保
冗談よ、ふふふ。
矢吹可奈
……志保ちゃん……本当に冗談なんだよね……
(台詞数: 42)