北沢志保
我が家には勝手に住み着いた食っちゃ寝している駄神のお稲荷さまがいます。
矢吹可奈
志保ちゃん、いろいろ酷い!
北沢志保
事実でしょ?
矢吹可奈
…はい、すみません…。
北沢志保
いい加減生活を改めないと本当に襟巻きにするわよ。
矢吹可奈
や、やだなぁ、志保ちゃん。また、冗談ばっかり。
北沢志保
…………
矢吹可奈
黙らないでよ‼︎
北沢志保
ところで前から思っていたんだけど。
矢吹可奈
無視しないで!
北沢志保
お稲荷さまって名前はあるの?
矢吹可奈
……
北沢志保
どうしたの?黙って。
矢吹可奈
志保ちゃんがそんな事を聞いてくれるなんて……
矢吹可奈
やっと私にデレてくれたんだね。
北沢志保
デレてないわよ。少し疑問に思っただけよ。
矢吹可奈
一緒に住むようになって結構たつのに今まで聞いてくれなかったじゃんか。
北沢志保
興味が無かっただけよ。で、どうなの?
矢吹可奈
もちろんあるよ。私の仲間はたくさんいるからね。区別する為にも名前がないとね。
矢吹可奈
私の名前はね、「いろは」っていうんだよ。
北沢志保
いろは?可奈かと思ったわ。
矢吹可奈
なんで?
北沢志保
だってお稲荷さまのセリフの上に可奈っていつもあるじゃない。
矢吹可奈
志保ちゃん、それは仕様だよ。大人の事情だよ、そっとしとこうよ。
北沢志保
大人といわれても私は14才だし。
矢吹可奈
……14才……
矢吹可奈
ジー……
北沢志保
? どこ見てるの?
矢吹可奈
ペタペタ
矢吹可奈
クスン……
北沢志保
フッ。
矢吹可奈
鼻で笑ったーーーー‼︎
北沢志保
とりあえず、お稲荷さまの名前はいろはなのね。
矢吹可奈
そうだよ。でも嬉しいな。志保ちゃんが私に興味を持ってくれて。
北沢志保
なんとなく聞いただけよ。
矢吹可奈
志保ちゃんは私のこと、好き?
北沢志保
は?何言ってるの?
矢吹可奈
私は志保ちゃんのこと大好きだよ。一緒にいると楽しいし。
北沢志保
わ、私は……
矢吹可奈
私のこと好き?嫌い?
北沢志保
き、嫌いじゃない……わよ。
矢吹可奈
やったぁ。私達両思いだね。
北沢志保
そーゆー意味じゃないわよ。
矢吹可奈
またまたぁ、照れちゃって。えいっ。
北沢志保
こら、抱きつくな。獣臭い。
矢吹可奈
えー。嬉しいくせに。
北沢志保
もしもし、狐の襟巻きを作って欲しいのですが。はい、材料はあります。
矢吹可奈
志保ちゃん⁈
北沢志保
冗談よ。ふふっ。
矢吹可奈
そのスマホ、通話中だよね。本当に業者さんに連絡してたよね……
(台詞数: 50)