Stratosphere:05
BGM
月のほとりで
脚本家
concentration
投稿日時
2015-04-26 02:47:44

脚本家コメント
Suzanne Vegaのアルバム「99.9°F」(微熱)1992年
より、
「In Liverpool」

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北沢志保
>未読メッセージが二件有ります。
北沢志保
>メッセージを確認しますか? 【はい】【いいえ】 Δ
北沢志保
>差出人:F.O.O.S.カナ ヤブキ
矢吹可奈
『ヤッホ~、志保ちゃん、お疲れ様~♪』
矢吹可奈
『今日からお休みだね!志保ちゃんはお休みの日は、何して過ごすのかな~?』
矢吹可奈
『私は……うう、空域データの更新だって。エラーチェックが終わったと思ったのに……』
矢吹可奈
『でも志保ちゃんをしっかりとサポートするためだもんね!ここはガマンしt』
北沢志保
「………削除、っと」
矢吹可奈
『志保ちゃんヒドイ!』
北沢志保
>差出人:姉
北沢志保
「……………」
北沢志保
時針が正午を過ぎると、西向きの窓の無い部屋はすぐに淡い影に沈む。
北沢志保
古酒の澱の気分に浸るにはこの上ない薄暗さと静けさ。
北沢志保
表の通りにはEVの一台も、人影も無い。
北沢志保
市内放送の残響だけが、遠くに聴こえる。
北沢志保
今から出れば、夜半には姉の宅に着くだろうか。
北沢志保
身支度を済ませ、部屋を出る。
北沢志保
昼下がりの白々しい陽射しが、アスファルトの路面に滲む。
北沢志保
『政府は即刻塔の管理権を放棄すべし』
北沢志保
『簒奪された塔を無法者達より取り戻せ』
北沢志保
所々ペンキの剥げ落ちた立看板が、語りかける相手も無く
北沢志保
朽ちるのを待つ。
北沢志保
路傍の蚊柱を一瞥し、履き慣れないミュールを引き摺りながら、
北沢志保
路傍の蚊柱を一瞥し、履き慣れないミュールを引き摺りながら、私はとぼとぼと駅を目指した。

(台詞数: 24)