真壁瑞希
………妙ですね。
北沢志保
ええ…。
矢吹可奈
どうしたの?
北沢志保
隊長は気づきませんか?先程から一定間隔で行われていた威嚇射撃が止んでいることに。
矢吹可奈
……本当だ。弾切れかな?
北沢志保
弾を補充しているにしても長すぎます。とっくに次の攻撃が来ていてもおかしくないはずなのに。
真壁瑞希
誘い込みか、何らかの不足の事態が発生したか、あるいは…。
真壁瑞希
――そもそも、ここは初めから囮だった…とか。
矢吹可奈
………!
北沢志保
囮部隊の我々がまんまと囮に誘われたというわけですか。…正直、笑えませんね。
矢吹可奈
今なら銃撃も止んでるし、直接確認した方が早そうだね。行こう!
北沢志保
あ、ちょっと隊長!そんな勝手に…!だいたい、我々の任務は囮役のはずでは!?
真壁瑞希
大丈夫。今なら我々以外に人はいないので、何をしても告げ口されません。…無問題、もーまんたい
北沢志保
そういう問題じゃ……ああもう、わかりました!隊長、もう少し周りに警戒して…。
矢吹可奈
――ッ!!
北沢志保
……隊長?
矢吹可奈
誰も、いない…。撤退したの?それとも、本当にここはただの囮だった…?
北沢志保
使用された武器も全て回収されていますね。初めからこうするつもりだったということか…。
真壁瑞希
だからこそ、相手も本気で我々と交戦しに来なかったのでしょうね。
北沢志保
道理で…ずっと立てこもっていて攻めて来ないわけです。時間稼ぎが目的だったのね…!
矢吹可奈
でも、時間稼ぎって…何のための?
北沢志保
それは……。
真壁瑞希
仮に、目的が時間稼ぎとするならば…ここ以外に本命がある、ということですよね。
真壁瑞希
王宮のある首都圏からは離れていますし、我々を誘導した上ですぐ攻め込んでくるとは考えづらい…
北沢志保
では、その下準備のためというのは?例えば物資を輸送したり……
矢吹可奈
物資の輸送……ってことは、トリニティは…。
真壁瑞希
存在は不明ですが、あるとしても既に運び出された後でしょうね。かなりの時間が経っていますし。
北沢志保
やられましたね…。すぐに本陣と連絡を取りましょう。おそらくここからそう遠くない位置に…。
矢吹可奈
……ちょっと待って。ここにはもう誰もいないんだよね?じゃあフォースのみんなは……
北沢志保
――ッ!!
矢吹可奈
――ッ!?い、今の爆発は…!?
真壁瑞希
――。分析完了。建物内部右通路の奥で中規模の爆発を確認。
矢吹可奈
きっと軍曹達だ…!マカボちゃん、軍曹達の位置はわかる!?
真壁瑞希
…すみません、そこまでは。ですが、爆弾を起爆させた人物が建物内部にいるのは確かです。
矢吹可奈
シホちゃん…!
北沢志保
わかってます。…付き合いますよ、あなたの気の済むまで。
矢吹可奈
ありがとう!…マカボちゃんは外で待機してて。軍曹達を連れてすぐ戻るから!
真壁瑞希
了解。負傷者が出た場合に備え、担架を拵えておきます。……気をつけて。
(台詞数: 38)