北沢志保
………
矢吹可奈
じーっ……
北沢志保
(ちらっ)
矢吹可奈
(ササッ)
周防桃子
……何やってるの?
北沢志保
ああ、桃子。別に遊んでるわけじゃないんだけど…。
周防桃子
じゃあ、なんで可奈さんはあんなところでコソコソしてるの…。
北沢志保
聞いてくれる?
周防桃子
え?うん、まあいいよ。ちょうど時間空いてるし。
北沢志保
数日前に、可奈が私より誕生日が早いって話を二人でしてたんだけど…。
周防桃子
へぇ、そうなんだ。じゃあ可奈さんの方がお姉さんなんだね…っていうとちょっと似合わないけど。
北沢志保
そう、まさにそれ。可奈ったら、急に変な意識が芽生えちゃったらしくて。
北沢志保
「お姉ちゃん」って呼んでーって何度もしつこく言ってくるようになったのよ。
北沢志保
で、あまりにうるさいから茜さんに教わった方法を試したら…。
周防桃子
あんな感じに、目を合わせただけでソワソワして近寄らなくなるようになった…?
北沢志保
よくわかったわね。
周防桃子
まあ、様子を見てればだいたいね。そんなことより…
周防桃子
その、茜さんに教わった方法って……何をしたの?
北沢志保
……耳かして。
周防桃子
…?うん…。
北沢志保
(ごにょごにょ…)
周防桃子
………うわぁ。それ、本当に言ったの…?
北沢志保
じ、自分でもどうかしてたと思ってるわよ!でもあの時は仕方なく…!
周防桃子
仕方なく「お姉ちゃん大好き～」って言ったの?
北沢志保
ばっ、やめてったら!誰かに聞かれたらどうするのよ…!
周防桃子
なるほどねぇ…。まあ、そのうちなんとかなるんじゃない?
北沢志保
楽観的かつ適当極まりない回答ね…。
周防桃子
真面目に答えたよ。要するに、今は可奈さん恥ずかしがってるだけでしょ。時間が解決するって。
北沢志保
それまでずっとあの状態だと困るんだけど…。
周防桃子
もともとは志保さんのせいじゃん。
北沢志保
それを言うなら、あんな方法を提案した茜さんが…!
矢吹可奈
あ、あの!
北沢志保
……可奈?ど、どうしたの?
矢吹可奈
うん、えっと…
矢吹可奈
この前のお返事、まだしてなかったから…。
周防桃子
(……返事?)
矢吹可奈
わ、私も…可奈お姉ちゃんも志保ちゃんのことが大好きですっ!
北沢志保
………
北沢志保
ッッッ!!??
矢吹可奈
そ、それで。これからもずっと「お姉ちゃん」として志保ちゃんの隣に居たいと思うので…
矢吹可奈
不束者ですが、これからもよろしくお願いします!辛い時や苦しい時は遠慮なく頼っていいからね!
北沢志保
………
矢吹可奈
そ、それだけで～す。じゃあまたね、おじゃましましたっ!
周防桃子
…なんか、いろんな意味で大変なことになっちゃったね、志保さん。
北沢志保
………桃子。
周防桃子
……なに?
北沢志保
姉妹で結婚ってできるのかな。
周防桃子
とりあえず、冷静になるところから始めようか…。
(台詞数: 48)