矢吹可奈
私は歌う。
矢吹可奈
それが例え拙い歌でも。
矢吹可奈
だって、歌うのは楽しいじゃないか。
矢吹可奈
好きなだけ歌って。
矢吹可奈
好きなだけ声を響かせて。
矢吹可奈
それをやめてしまうのは、
矢吹可奈
とても、とても悲しい事だと思う。
北沢志保
私は黙る。
北沢志保
仮に私の歌が素晴らしかったとしても。
北沢志保
歌う事に何の意味がある。
北沢志保
声を出す事に何の意味がある。
北沢志保
意味もなく歌うその光景は、
北沢志保
実に哀れだと、私は思う。
矢吹可奈
「歌おうよ、志保ちゃん!」
矢吹可奈
私は彼女を誘う。
北沢志保
「嫌よ矢吹さん、そんな意味のない事。」
北沢志保
私は彼女の誘いを断る。
矢吹可奈
「ねぇねぇ、一緒に歌おうよ志保ちゃん!」
矢吹可奈
今日も声をかけた。
北沢志保
「…ちょっとだけだからね?」
北沢志保
今日は、誘いに乗った。
矢吹可奈
「一緒に歌ってると、楽しいよね!」
矢吹可奈
私は思いを口にした。
北沢志保
「ま、まあ1人よりはまし、かな…?」
北沢志保
私は思っている事を口にした。
矢吹可奈
「ねぇねぇ、遊びに行こうよ志保ちゃん!」
北沢志保
「もう、しょうがないわね可奈は…」
矢吹可奈
「ねぇねぇ、志保ちゃんって歌うまいよね?」
北沢志保
「そうかしら?可奈も下手ではないと思うけど…」
矢吹可奈
「その、よかったら今度歌教えてほしいなーみたいな…」
北沢志保
「…何よ、それくらいちゃんと言えばいいじゃない」
矢吹可奈
ほら、やっぱり。
北沢志保
あれ、おかしいな。
矢吹可奈
全然違う私たちだけど、
北沢志保
全然違う私たちなのに、
矢吹可奈
こうやって繋がれた。
北沢志保
繋がってしまった。
矢吹可奈
「いこっ、志保ちゃん!」
北沢志保
「ええ、可奈。」
矢吹可奈
全然似た者同士じゃないのに、
北沢志保
不思議だな。
(台詞数: 41)