輝きは向こう側へ.Side志保
BGM
Get My Shinin'
脚本家
不明
投稿日時
2014-07-10 20:50:07

脚本家コメント
劇場版パラレル①。可奈が戻らなかった世界です。
全3作だよー

コメントを残す
北沢志保
…今の私は。まるで脱け殻のようだ。
北沢志保
紆余曲折はあったが、正式な765プロダクションの一員に加わった私。
北沢志保
業界内では、一番優遇され、期待され、そしてファンの層も幅広い765プロ。
北沢志保
そんな事務所に所属した私は、間違いなくトップアイドルへの一歩を力強く踏み出せたはずだ。
北沢志保
…しかし、私は完全に、二歩目を見失っていた。
北沢志保
事務所の先輩は、あのアリーナライブで共演した仲だ。
北沢志保
あんな無様な結果になってしまったのに、先輩達は私にとても優しい。
北沢志保
…多分、私の心の傷を慰めようとしている。
北沢志保
でも、失敗したのは私自身の責任だし、他人に気を遣われることはないと思う。
北沢志保
そう、失敗した。
北沢志保
リハーサルで立ったアリーナのステージは、私が考えていたものよりもずっとずっと大きかった。
北沢志保
本番でも、その大きさに打ちのめされてしまった。
北沢志保
それまで練習重ねてきたことが、まるで出来なかった。
北沢志保
それは他のバックダンサー達も同じだったようで、皆、本番後は一様に肩を落としていた。
北沢志保
…メディアは前と同じく、765プロのアイドルを称賛し、私たちを好き勝手批評した。
北沢志保
手の届くはずだった「輝き」は、向こう側へ遠のいてしまった。
北沢志保
私達の未熟さが原因だと言ってしまえばそれまでだ。それ以外の理由をつけるのは卑怯だ。…でも。
北沢志保
…矢吹可奈。
北沢志保
言葉にすると、心臓を杭が打つ。
北沢志保
途中でメンバーを抜けてしまったあの子。今思えば、あのときにもう、私は…道を見失っていた。
北沢志保
先輩達はなんとかしてあの子を連れ戻そうとしたが、結局メンバーへ戻ることはなかった。
北沢志保
…あの時の私は、あの子の事を認めていなかった。戻ってこなくていいとすら思っていた。
北沢志保
でも、メンバーを抜けるにあたって事務所に謝罪に来たあの子を見て、私は大きく動揺した。
北沢志保
ストレスのせいか太り、くまの刻まれた目で涙ながらに何度もごめんなさいと謝る彼女を見て…。
北沢志保
…この子は、私だ。…そう思った。
北沢志保
その痛ましさは、まるで鏡で自分を見るようだった。
北沢志保
私は逃げ出しはしなかった。しかし、あの子の心を平気で傷つけ、先輩達に八つ当たりをした。
北沢志保
そこにどれだけ差があるだろうか。取り返しがつかなくなってからようやく自分の弱さに気付いた。
北沢志保
アリーナでの失敗は、弱い私にはふさわしい結果だったのかもしれない。
北沢志保
…矢吹可奈。
北沢志保
…矢吹可奈…矢吹可奈。
北沢志保
…矢吹可奈…矢吹可奈…矢吹可奈。繰返すと、胸の痛みで自分の罪が罰される様な気がする。
北沢志保
…でも、この胸の痛みは、止めなくてはならない。
北沢志保
痛みの無い道を探さなくては、私はどこへも踏み出せない。
北沢志保
失った時間は戻せない。それなら、新しい時を自分で作るしかない。
北沢志保
「…やるんだ。」

(台詞数: 36)