一週間の居候
BGM
ココロがかえる場所
脚本家
海鞘♪
投稿日時
2014-06-23 20:20:03

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北沢志保
私はいまプロデューサーさんのお宅に失礼しています。
北沢志保
というのも…先日に母が倒れてしまって以来、母の入院が続いてしまっているので…
北沢志保
事務所の寮の部屋が仕上がるまで、ちゃっかり彼の空いている部屋を間借りして居ます。
北沢志保
寮の部屋は物置として使われていたらしくて…一週間位で仕上がるということで…
北沢志保
「とりあえず、なら問題無いだろう?」と彼のアッケラカンとした発言に目を丸くしながらも…
北沢志保
私はその提案に乗ることにした。もっとも、彼は帰宅が遅い為に事務所に寝泊まりする事が多いので
北沢志保
顔を合わせたのは初日のみ…事務所から近いという理由で間借りしているのは少し悪いかな…
北沢志保
そういう想いから、部屋を片付け整理したり、掃除と洗濯をお礼を込めてこなしてみた。
北沢志保
初日は酷いもので…彼を怒鳴り付けて洗濯石鹸を買いに行かせたりと、シンクの中から…
北沢志保
ランドリーBoxの中まで全ての汚れ物を綺麗にする事から始まり…
北沢志保
自宅に居るよりも忙しく1日がおわりました。
北沢志保
初日以降は私も遅い日もあったけど、それよりも彼は遅く…
北沢志保
部屋へ帰る日は、私が夢心地の時間がほとんど…彼と話したいなと思う日もあったけど…
北沢志保
仕方が無いので冷めても美味しい夜食を作り置きする事にしました…
北沢志保
初めは食べてくれるのかな?と思いながら作ったけど…朝起きると皿が必ず空になっていたので…
北沢志保
少し安心した。
北沢志保
ある日は、私が起きてリビングへ向かうと彼が新聞とテレビを器用に見ているところだった。
北沢志保
「おはようございます。」プロ(ああ、志保おはよう。良く眠れてるかな?)
北沢志保
「はい、おかげさまで…えっと、今朝お帰りでした?」プロ(はは、今し方な。)
北沢志保
プロ(そうそう。毎晩夜食ありがとう、志保…)「…いいえ、残さず食べてくれてお粗末様です。」
北沢志保
「それじゃあ…今、夜食を?」プロ(そういうこと。)
北沢志保
じゃあ、お味噌汁は如何です?スグ出来ますから。プロ(そぉか。貰おうかな。)「わかりました」
北沢志保
私はリビングからキッチンへ向かうと、鍋に火を掛けた。「早く出来るのは…これね。」
北沢志保
買い置きの葱と豆腐を取り出すとねぎを薄く斜め切りにし、豆腐は手の上で賽の目に小さくする…
北沢志保
湯の沸いた鍋に手早く味噌を入れ味を整え…火を止めてから、具材を入れて軽く蒸らす…
北沢志保
これが正式な作り方かは知らないけど、手早くて葱の香りを楽しむには十分なのだ。
北沢志保
「お待たせしました。」プロ(おっ、ありがとう。)「熱いですよ?」
北沢志保
プロ(ちゃ、そのようだ…葱の香りがイイなぁ…ん、んまい。)「ふふっ、ありがとうございます」
北沢志保
「急拵えでしたけど…」プロ(そか?後で教えてくれないかな?)「こんなで良ければ」
北沢志保
プロ(じゃあ私は仮眠するから…志保は学校か?)「そうですよ。」プロ(じゃあ、午後に宜しく)
北沢志保
「おやすみなさい。」プロ(おやすみ♪)
北沢志保
私はどんな人が彼の奥さんに成るのだろうと思いながら、学校へと向かった。
北沢志保
最終日の前日土曜日。今日も少し早起きをして部屋を掃除しようとするとリビングに彼が居る様子…
北沢志保
「おはようございます。」プロ(志保おはよう。突然なんだが、寮の準備が出来た様だから…)
北沢志保
プロ(悪いが今日から入寮してもらえないかな…)「イイですけど急なお仕事でも?」
北沢志保
プロ(そうなんだ…志保悪いな私の提案なのに…)「イイですよ私も仕事ならそう言うかも///」
北沢志保
プロ(ん…///。そうそう、これ志保にお礼な。片付けや夜食を作って貰ったから。)
北沢志保
「えぇ?イイんですよぉ…部屋を間借りしたお礼のつもりなんですから…」
北沢志保
プロ(いや…志保のしてくれた事は家賃以上だよ。だから、受け取ってください…な?)
北沢志保
「もぅ…こんな押しの強い方とは思いませんでしたよ?」箱を開けるとネックレスが入っていて…
北沢志保
ペンダントトップには…「わぁ、ハートを抱いたクマちゃん…イイんですか?」
北沢志保
プロ(気に入ってくれたかな?)「とても…。大切にしますね。」
北沢志保
プロ(寮にはひなたや響、奈緒も居るから少し賑やかかもしれないがガマンしてくれな?)
北沢志保
「プロデューサー、少し目を綴じて下さい。」プロ(こうか?)「えぇ…っ…んっ……。」
北沢志保
プロ(…今のは?)「うふふ…愛情表現ですよ?」プロ(成る程な。)「もう一度します?」
北沢志保
プロ(日の内の二度目は志保を襲う構えだぞ?)「わぁ…怖い♪早く荷物を纏めよう♪」
北沢志保
プロ(志保もあんなセリフを言える様になったのか…少し寂しい気もするがイイ事だよなぁ…)
北沢志保
そう眺める志保の首筋には、ハートを抱いたクマが輝いていた。

(台詞数: 48)