矢吹可奈
クラリネット～今日も吹く～吹く吹く吹く～福が来る～
北沢志保
相変わらず、可奈の演奏は心地いいわね。穏やかな気持ちになるわ。
真壁瑞希
私も多少は音楽をやってましたが、生まれつきの才能があるんでしょうね。感嘆。
真壁瑞希
それだけでなく、いい先生にも習ってきたんだと感じます。それも、何人にも。
北沢志保
どうしてそう思うんですか?真壁さん。
真壁瑞希
矢吹さんの演奏には、際立った癖が有りません。1人の先生にずっとついていたら……
真壁瑞希
その先生の演奏に似てくるはずなんです。学ぶとは真似ることからはじまります。
矢吹可奈
瑞季さん、凄いです!確かに、学校の先生も含めて、十人以上に教えてもらってます。
真壁瑞希
そういえば、矢吹さんはいろいろな楽器が演奏できるんですね。多才。
北沢志保
この前の演奏会では、ヴァイオリンで助けてもらったわね。頼りになる可奈、はじめて見たわ。
矢吹可奈
志保ちゃん～。その言い方、なんか愛が足りないよ。
北沢志保
仕方ないじゃない。いつもは頼りなげなんだから。色々やらかしてるし。
矢吹可奈
……反論できないよ。
真壁瑞希
閑話休題。休憩時間に弾いていたピアノも良かったです。ニコニコ。
真壁瑞希
よかったら、矢吹さんの音楽遍歴、聴きたいです。興味津津。
矢吹可奈
へん……れき?
北沢志保
今まで、可奈がどんな楽器をやってきたか知りたいって言ってるの。
矢吹可奈
そういう意味なんだ。ええと……最初にやったのは、鍵盤ハーモニカかな。
北沢志保
小学校に入って、すぐの頃ね。
矢吹可奈
うん。で、授業参観が音楽で、演奏会でお母さんに来てもらって……
矢吹可奈
その日の夜、お母さんがお父さんに、可奈のハーモニカは凄いって言ったんだ。
真壁瑞希
お父さんも、褒めてくれたでしょ?
矢吹可奈
はい。その日の夜に聴いてもらったら……
矢吹可奈
お父さん、「可奈には音楽の才能が有る!」って興奮して、家にピアノを買ってくれたんだ!
矢吹可奈
教室にも入れてもらって。あの頃は学校から帰ったら、ずっとピアノの前にいたなあ。
北沢志保
ピアノ教室には、ずっと通ってたの?
矢吹可奈
ううん。半年くらいしたら、先生が個人レッスンで家に通ってくれるようになったんだ。
真壁瑞希
たった半年、ですか。(不思議)
矢吹可奈
でも一年くらいしたらね。お父さんとお母さんが、「ピアノはみんな習ってるから……
矢吹可奈
人と違う楽器がいいよ。」とか言って。次はヴァイオリン教室に行ったんだ。
北沢志保
ずいぶん唐突な話ね。って言うか、それからはピアノは習ってないの?
矢吹可奈
今も、遊びでは弾いてるよ。ヴァイオリンも楽しかったけど、一年くらいで先生に……
矢吹可奈
「矢吹さんは肺活量が有るから、吹奏楽器の方が向いている」って勧められて……
矢吹可奈
それからは、ずっとクラリネットです。だから一番自信があるんです。
真壁瑞希
(才能のことを差し引いても、サイクルが早すぎるような……)
真壁瑞希
……
真壁瑞希
矢吹さん。家でピアノを弾いているのを、お父さんは聴いてましたか?
矢吹可奈
お父さん帰りが遅いから……。でも、ヴァイオリンに替える少し前、聴いたことが有ったかなあ。
北沢志保
(ピアノを止める直前、ってことね。)
真壁瑞希
あと、さっきの休憩時間。ピアノの『弾き語り』をしてましたね。
矢吹可奈
気分が盛り上がってくると、やっぱり歌が出てくるんです!
真壁瑞希
……ヴァイオリンの時も、弾き語りをしていたんでしょう。きっと。
北沢志保
……そうね。確かに弾き語りは出来ても、『吹き語り』はできないですよね。
矢吹可奈
……何が言いたいんですか?志保ちゃん、真壁さん。
(台詞数: 44)